「イスラエル・ハマス紛争」アメリカZ世代が議論「ニュースで見たものすべてが正しいと思うのは、危険だと思う」
Cartoonがパーソナリティを務めるinterfmで放送中のラジオ番組「sensor」(毎週金曜19:00-22:00放送)。番組コーナー「NY Future Lab」では、これからの時代の主役となる「Z世代」と「ミレニアル世代」にフォーカス。アメリカの若者たちが普段何を考え、何に影響を受け、どのような性質や特徴があるのかなどについて、Z世代・ミレニアル世代評論家のシェリーめぐみが座談会形式で彼ら、彼女らの本音を引き出していきます。 今回のテーマは、「ニューヨークのZ世代が思う『イスラエルとハマス紛争』」。「NY Future Lab」のメンバーが、ハマスとイスラエルとの軍事衝突について意見を交わしました。
◆ハマスとイスラエルとの軍事衝突 衝撃を受けたラボメンバーたち
パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織・ハマスとイスラエルとの軍事衝突が10月7日に発生して以降、紛争による犠牲者と避難民が増えるなか、人道危機の深刻化が懸念されています。 10月18日、アメリカのバイデン大統領はイスラエルでネタニヤフ首相と会談しました。イスラエルへの支持を明確にしているアメリカですが、民間人の犠牲が想定されるリスクある行動は国内外から非難を招くおそれがあり、事態の収束化は困難を極めている状況です。 また、ニューヨークという街は世界でイスラエルの次にユダヤ人が多い場所として知られています。イスラム教徒も多く住む街ということもあって、ラボのZ世代にとっても他人事ではない問題です。 ハマスの最初の攻撃から1週間ほど経ったタイミングで、ラボのメンバーは今回の軍事衝突について感じたことを話し合いました。 ヒカル:あれ以来、1週間も経たないうちにニューヨーク市内でいくつかのデモがあったよ。火曜日には僕のオフィスの近くで5番街の交通を止めるようなデモがおこなわれた。国連からタイムズスクエアまで行進していたみたいで、1,000人以上はいたと思う。そして、金曜日にも別の大きなデモがあった。 ミクア:個人的にはずっと前から「パレスチナを解放せよ」というスローガンがあるのは知っていたけれど、それについて深く知ろうとはしていなかった。中東の歴史についてもあまり教育を受けてこなかったから。 それが突然私にとって現実になったのは、大学のキャンパス。親パレスチナ派のグループと親イスラエル派のグループの両方に出会ったときだったんだよね。彼らは旗を掲げて、お互いに叫んで議論をしている。今回も、彼らが学校中でチラシを貼ったりするのを見て、「何が起きているの!?」って驚いた。 ノエ:この問題は、少なくとも高校に通っていたときからニューヨークでも大きな話題になっていたよ。つまり、10年は経っている。もちろん、それよりもずっと前から続いているのはわかっているけど。 デモなどの大きな抗議行動が始まったのは最近のことですが、イスラエルとパレスチナの関係はアメリカでも以前から問題視されています。2007年、過激派組織ハマスがガザ地区を支配してからは、イスラエルから厳しい経済制裁が課されるようになり、パレスチナ人の生活はさらに苦しくなりました。 経済封鎖、水資源へのアクセス制限など、イスラエルによるパレスチナ政策は、国連や国際人権NGOのアムネスティ・インターナショナルからはアパルトヘイト(人種隔離・迫害)だと強く批判されています。しかし、政治的に親イスラエルの立場をとるアメリカでは、パレスチナ人の声が届きにくい現状があります。 世論調査では、「アメリカ政府はイスラエルを援護すべき」という意見が約65パーセントにのぼります。一方で、Z世代とその1つ上のミレニアル世代では、48パーセントと過半数を割る結果に。モデレーターでZ世代評論家のシェリーは「世代間ギャップがすごくあります。アメリカも少しずつ変わってはきています」と解説しました。