米メディアも上原引退に際し功績称える「レッドソックスファンの記憶に永遠に残されるべき投手」
CBSのボストン支局の電子版は、「上原が引退を発表。彼のレッドソックスでの2013年シーズンは永遠に記憶されるべき」との見出しを取り引退を惜しんだ。 「真の偉大な選手たちは決して忘れられない。マリアノ・リベラ。デニス・エカーズリー。ローリー・フィンガーズ。トレバー・ホフマン。グース・ゴセージ。殿堂入りのすべての選手たち。クーパーズタウン(野球殿堂)で永遠に輝く選手たちだ。クーパーズタウンにはたどり着かなかったが、それでも輝くべき成績で日の当たるクローザーの1人が上原だ。日本の寝屋川出身の44歳(の上原)がメジャーリーグ436試合、日本で312試合を投げた後に、彼はスパイクを正式に脱ぎ、引退の決断を下した」と、歴代の名クローザーの一人として称えた。 同記事も、ワールドシリーズを制した2013年の活躍に注目。 「2013年の4月1日から10月30日の間の彼の仕事は、野球史においてもっとも光り輝く投球の1つだったことに疑いはない。これは決して誇張ではない。彼はクローザーの3番手として、2013年のシーズンに入り、過去のあらゆる抑え投手が、残してきた記録に対等に渡り合えるような素晴らしい記録を残した」と伝え、同年の7月9日から9月13日まで27試合連続で無失点記録をマーク、その間、30イニングと1/3を投げて6安打、1四球を許しただけで、打者96人に対して41三振を奪い、この2カ月間のWHIPは0.231だったことを紹介した。 さらに、この間のストライク率は82%で、対戦打者の打率は0割7分4厘で、出塁率は、わずか0割9分1厘だったという。 また過去にクローザーでMVPを獲得したのは1992年のデニス・エカーズリー、1984年のウィリー・ヘルナンデス、1981年のローリー・フィンガーズ、1951年のジム・コンスタンティーの4人しかおらず、そのエカーズリー、ヘルナンデス、フィンガーズのMVP受賞年の成績と、上原の2013年の成績を比較。73試合に登板して、74イニング1/3を投げ、4勝1敗21セーブ、WHIPが0.565、防御率1.09、三振/四球比率が11.22だった上原はMVPには選ばれなかったが、その3人となんら遜色がなかったことをつけ加えた。 そして「上原はレッドソックスで過ごした4シーズンで通算打者858人と対戦して37人を歩かせたのみで291三振を奪った。ポストシーズンを含めれば、彼は打者910人と対戦し37人を歩かせただけ(確率4.1%)で、308三振(確率33.8%)を奪った」と、そのレッドソックス時代の4年間の成績がいかに素晴らしかったかを記した。 「平均90マイル(約145キロ)の速球で彼が、魔法使いのようにこのすべてを成し遂げたことは、もっと記憶に残されるべきだ。上原の2013年のスプリッターは、これまでで最も打つのが難しいボールの1つとして位置付けられ、もしくは、そうされるべきで、時々は、キャッチャーが捕球することさえ難しかった」と、上原の代名詞であった落差が激しく、フォーシームと同じ腕の振りで投げるスプリットを絶賛した。 記事は最後に「2013年ワールドシリーズの最後のアウトを三振で飾った上原のイメージは、レッドソックスファンの記憶に長く焼き付けられるだろう。その2013年シーズンとポストシーズンで上原が、優勝チームに貢献したことは、野球史全体において最も輝くべき投球の1つとして永遠に記憶されるべきことだ」という言葉で記事を締めくくった。