じゃがいものアク抜き・肉じゃがを作りたいときは必要? 不要?
じゃがいもでアク抜きをしている方も多いと思いますが、実は必ずアク抜きをしなければならない食材ではありません。料理によってはしないほうがいいことも。アク抜きすることのメリット、デメリットを知って上手に使い分けると、調理もしやすく、仕上がりも変わりますよ♪ 【画像】ホクホクもっちり♡ 子どもウケ抜群のじゃがいも人気レシピ5選 ■じゃがいものアク抜きは必要? じゃがいもを調理するときに、いつもアク抜きしている、という方はどのくらいいるでしょうか? 実はじゃがいもは、アク抜きが必要な食材ではありません。アク抜きが必須の食品と比べると、じゃがいものアクはそこまで強くありません。ひと手間を加える必要性を感じなければ、わざわざしないですよね。そのため、私のようにアク抜きをあまりしない人も多いのではないでしょうか。 ただ、じゃがいも料理全般に必要ないかといわれると、アク抜きすることで、仕上がりや味わいに違いもでるため、メニューによっては必要なこともあるんです。 そこで今回は、アク抜きによってどんなメリットがあるかピックアップしてみました。 ・変色予防 同じイモ類でも、さつまいもは空気に触れると短時間に変色してきます。一方、じゃがいもはそこまで変色はしてきません。すぐに調理するときや、色が気にならないメニューのときは気にならないでしょう。 ただ、細かくカットして空気にさらされたり、時間が経過したりすると黒っぽくなってしまうため、色をきれいに保ちたいときにはアク抜きが有効。 ・渋み、えぐみを取る じゃがいもの渋みやえぐみの成分自体はそこまで強いものではありません。風味や味を左右するので、あえてそのまま取らないほうが味わいがあって好き、という人も。この成分は水に溶ける性質があるため、ゆでればそれだけで抜けていきます。 炒めたり焼いたりする場合はその成分が流出しないため、渋みを感じやすくなるのでアク抜きしてから調理すると◎。乳幼児は苦みに敏感なため、離乳食で使うときにはアク抜きすると食べやすい味に。 ・カリッと仕上がる アク抜きすると、同時にデンプンも落ちます。余分なデンプンが取れることで、揚げたり焼いたりしたときにはカリッとした食感に。 ・くっつき防止 切込みを入れて開かせたい料理や炒め物では、余分なデンプンが落とすことでくっつき防止になります。くっつく力が弱まれば焦げつき防止にもなるため、中に火が通る前に表面が焦げてしまうという失敗も防いでくれます。 ・味がしみ込みやすい アクやデンプンが抜けることで、調味料が入りやすくなり、味がしみ込みやすくなります。 ■じゃがいものアク抜き不要はどんなとき? ・煮込み料理 じゃがいもに含まれる苦み成分のタンニンは水溶性なので、水を加えて煮込むと溶け出てきます。下ごしらえの段階でアク抜きしなくても、調理中にこまめにアク取りすればえぐみは取り除けます。 もちろん、あらかじめアク抜きするメリットもあるので、料理に合わせてアク抜きするかしないかを選んでみてください。 ・とろみをつけたい場合 じゃがいものデンプンを活用してとろみをつけたい場合は、アク抜きをあえてしないほうがいいときもあります。レシピにもよりますが、ポテトグラタンなどはじゃがいものデンプンを活用すれば、ホワイトソースなしで手軽に作れます。 ・くっつく力が必要な場合 じゃがいものガレットやハッシュドポテトなど、デンプンのくっつく力が必要なメニューを作るときは、アク抜きしないほうが上手くいきます。 ・ほくほく感が欲しい場合 コロッケなど、じゃがいものほくほく感を楽しみたいときも、デンプンが流出しないようアク抜きはなしのほうがいいですよね。 ■じゃがいものアク抜き方法 じゃがいものアク抜きは簡単にできます。料理に合わせてカットしてから水にさらすだけ。アクやデンプンと一緒に栄養素も流出してしまうので、水にさらすのは5分程度で。長くても10分くらいで水を切るようにしましょう。 皮も風味があるので、皮つきのじゃがいも料理もおいしいですよね。アク抜きをする際には、皮をむいて使う場合はむいてから、ついたまま調理する場合は皮つきで浸けます。 要するに、空気に触れて酸化ししてしまうのを防ぎ、余分なものを水に流出させていけばOK! ■じゃがいもの下ごしらえでの注意点 実はじゃがいもを調理するときに、一番注意しなくてはいけないのは、アク抜きよりも芽や緑色になっている部分。芽や緑色になった皮の部分には、健康を害する毒素であるソラニンやチャコニンを多く含まれ、食中毒を引き起こす危険があります。 市販のじゃがいもでは緑色のものは流通しないと思いますが、家庭菜園では日光に当たって皮が緑色になってしまったものを収穫することも。保管中に日に当たって緑に変化する場合もあります。 毎年のように、学校などで栽培・収穫したじゃがいもで食中毒を起こしたというニュースを聞きますが、これは毒素を多く含む緑色のじゃがいもや、小さい未熟なじゃがいもを取り除ききれず食べてしまったから。 この毒素はアク抜きや加熱では十分に取り除くことはできませんが、芽の部分や緑色の部分をしっかり切り取ってしまえばそこまで心配はいりません。もし、食べてみて舌がしびれるような味がしたら、それ以上食べないようにしましょう。 使いそびれて芽が出てしまうことのないよう、早めに使い切るようにしたり、日が当たらない冷暗所に保管するようにしたりするなど、保管方法にも気をつけるとイイですね。 (文・写真=よんぴよまま)