〈年収103万円の壁撤廃か〉減税につながる玉木雄一郎案と増税につながる小泉進次郎案、国民に優しいのはどっち? 「進次郎案は “国民を虐める”タイプの“壁対策”では…」
年収100万円だと負担が約10万円増える?
「言うまでもなく、減税型の玉木氏の提案には、財務省は徹底的に反対するでしょう。実際、すでに林官房長官は7~8兆円の『税収』が減るからそんな提案は簡単に実現しない、と玉木氏の提案に難色を示すような発言を公式に行なっています。 一方で、増税型の進次郎案が実現した場合には、今まで保険料を払ってこなかった106万円以下の年収、例えば、100万円のパートで働く主婦たちは、10万円弱の保険料支払いが義務づけられることになります。 したがってこの増税型の進次郎案にはもちろん、財務省は賛成の立場をとる。というよりもむしろ、進次郎氏にこの対策を吹き込んだのは、財務省だとみられます」 自民党と国民民主党との話し合いの落としどころはどこになるのだろうか。家計にダイレクトに関わるだけに、注意深く動向を見ていきたい。 取材・文/集英社オンライン編集部 ※ 藤井聡 京都大学大学院教授。元内閣官房参与(防災・減災ニューディール)。京都大学工学部卒、同大学院工学研究科修士課程修了後、スウェーデン・イエテボリ大学心理学科客員研究員、東京工業大学教授を経て、現職。専門は公共政策論、都市社会工学。著書に『超インフラ論』『〈凡庸〉という悪魔』『大阪都構想が日本を破壊する』など多数。
集英社オンライン編集部