宇宙から帰還のNASA飛行士、地球への再順応の苦労語る 「座るのがきつい」
(CNN) 米民間宇宙企業スペースXの有人宇宙船「クルードラゴン」で地球に帰還した後で急きょ医療施設に搬送されていた宇宙飛行士3人が8日、米航空宇宙局(NASA)の記者会見に出席した。 写真特集:火星で見つかった「生命の痕跡」!? 3人はスペースXがNASAの委託で実施するミッション「クルー8」に参加し、国際宇宙ステーション(ISS) に滞在。230日以上を宇宙で過ごした後、地球上での生活に再度順応しようとする現在の取り組みについて語った。 飛行士らは、病院搬送につながった医学上の問題の性質に関して依然として固く口を閉ざした。飛行士のうち1人は一晩入院したが、それが誰かは現在も明らかにされていない。それでも会見では、重力のある暮らしへ再び順応する中で飛行士らが経験した兆候の一部が語られた。 クルードラゴンの船長を務めたマシュー・ドミニク氏は、今回が初の宇宙飛行だったとし、地球への再順応を楽しんでいる心境を示唆。予想し得る大きな兆候は見当識障害や目が回るといった症状だが、硬い椅子に座るといった些細(ささい)なことにも悩まされていると明かした。実際宇宙では、硬い物に腰掛けたことが235日間なかったという。 その上で、最近家族と家の外で夕食を取った際には、庭にタオルを敷いて横にならなくては会話を続けることが出来なかったと付け加えた。椅子の座り心地が悪すぎたからだ。 「そんなことは本に書いていなかった」「宇宙に行ったら硬い椅子に座るのがきつくなるぞ、なんてことは」と、ドミニク氏は冗談を口にした。 会見にはドミニク氏とNASAの同僚2人、マイケル・バラット氏とジャネット・エップス氏が臨んで質問に答えた。4人目の乗組員だったロシア宇宙機関ロスコスモスのアレクサンダー・グレベンキン氏は、「移動のスケジュールを理由に不参加」だった。NASAが報道向けの発表で明らかにした。 エップス氏は地球帰還後に感じる重力や物の重さに驚いているとし、日々運動することで地球の生活に再び順応しようとしていると述べた。 バラット氏、ドミニク氏、エップス氏、グレベンキン氏の4人は235日間を宇宙で過ごした後、先月25日にクルードラゴンで米フロリダ州の沿岸に着水した。 NASAによると大気圏突入と着水は予定通りに行われており、夜間着水の様子を捉えたライブ配信映像では4人が笑顔で手を振りながら回収船に乗り込む姿も映っていた。