高卒で悩んだ進路…両親から「大学でやるなら応援する」 プロ入り諦め、16戦16発の現在地
「今、注目されていますが勘違いはしていない」
大学に入ってからより自分自身を見つめ直した。 「もともとユースの時に北野颯太(C大阪)など周りの選手がうまかったので、自分はどういうところで違いを見せるのかをずっと考えていたんです。そこでシュートの技術を磨くという発想を持てた。大学に入ってからも本当に周りのレベルが高いと思ったので、これまで以上に自分と周りに目を向けて考えました」 日頃の練習から常に実戦を想定してシュートまでの動作、打つ感覚を大事にし、自主トレではパスのうまい選手を捕まえて、いろいろなバリエーションのパスを出してもらい、そこで咄嗟の判断でのボールを置く場所と技術、複数のシュートスウィングの活用を徹底して磨いた。 「ちょっとずつ、ほんまに少しずつですけど、コツを掴み始めています」 今の地位はまさに努力の賜物。当然、ここで満足をするような人間ではない。 「今、注目されていますが勘違いはしていない。僕の中で事実として変わらないのは、自分は大した選手じゃないということ。今まで華々しい成績を残してきたわけではない。僕が心の中で決めているのは、ハングリー精神を忘れずに、コツコツ人が見えていないところでやる。そういうところで違いを見せていかないと大学サッカーでもやれないと思うので、そこは大事にしています」 抜群の素材を持ち、かつまだまだ伸びしろ十分。これだけで十分ロマンを抱かせてくれる選手だ。
FOOTBALL ZONE編集部