戦闘民族・孫悟空「そうだセル、悟飯を怒らせろ」魔族出身・ピッコロ「貴様は間違っている」ヤバいのはどっちだ!?
ピッコロの株が急上昇した瞬間だった。戦うことを好まない孫悟飯(CV:野沢雅子)に対し、セル(CV:若本規夫)は怒りを引き出そうと執拗に痛めつけていた。それを見ていた魔族出身のピッコロ(CV:古川登志夫)が戦闘狂な悟空に対し諭す姿は、悟飯を守ろうとする“本物の親父”のようだった。 【映像】ピッコロが悟空を諭すシーン(17分11秒ごろ~) セルの強さを確認した悟空は降参を宣言し、戦いの場を降りた。次に戦うよう指名されたのはまさかの悟飯だった。悟飯は悟空に言われるがままセルと向き合ったものの、戦いには消極的だった。本当は戦いたくないし殺したくないが、怒りをきっかけにとんでもない力を発揮してしまうことをセルに伝え、戦いをやめさせようとする悟飯。しかし、それが逆にセルの興味をかき立てる結果となった。 セルが悟飯を攻撃している間、悟空は「そうだセル、それでいいぞ!悟飯を怒らせるんだ」と笑みを浮かべていた。一方で、悟飯が痛めつけられている様子に耐えられなくなったピッコロは「もう我慢できん!」と悟飯を助けに入ろうとした。しかし悟空は「ハッキリ言ってとてもおめえの敵う相手じゃねえ!もう少し、もう少しだけ待ってくれ!」と制止した。 悟空は、悟飯が怒りを爆発させれば誰にも負けない力を発揮できると確信し、それに賭けていた。しかし「悟飯のその力に期待するしかねえんだ!」という身勝手な言葉に、ピッコロは「貴様は間違っている!」と一喝。悟飯は悟空のように戦いが好きではないことや、「ちゃんと話し合ったのか!」と悟空の考えが悟飯に伝わっていないことを指摘した。 悟空はピッコロの言葉にハッとし、表情を曇らせた。そして「やられてもいい!俺は行くぞ!」と玉砕覚悟でセルに挑もうとするピッコロの決意に、大事なことを気付かされたのだった。当時の視聴者の多くが、人間味溢れるピッコロの姿に胸を打たれたワンシーンといえよう。 「ドラゴンボール」では、悪役や元悪役が理想的な大人として描かれることが多い。フリーザは“理想の上司”としていまだに人気が高く、ベジータも悟空よりわずかながら父親らしい一面がある。そして魔族出身のピッコロにいたっては、悟空以上に父親らしい存在感を発揮している。戦うばかりではなく、少しは悟空も彼らを見習うべきなのかもしれない。 アニメ「ドラゴンボール改」は、1989年から1996年まで放送されたアニメ「ドラゴンボールZ」のデジタルリマスター再編集版。サイヤ人編~人造人間・セル編までの第1期が2009年4月から2011年3月にかけて放送され、魔人ブウ編の第2期が2014年4月から2015年6月に放送された。原作は「週刊少年ジャンプ」(集英社)で1984年から1995年まで約11年間連載された鳥山明氏による大ヒット漫画で、シリーズ累計発行部数は全世界で2億6000万部を超える。「Z」「GT」「超」など数々のアニメシリーズが制作されたほか、20作を超える劇場版も公開。数多くのゲームシリーズにもなっている。 40周年を迎えた2024年、故・鳥山明氏が原作・ストーリー・キャラクターデザインを手掛けた完全新作アニメシリーズ「ドラゴンボールDAIMA」が10月より放送中。 (C)バードスタジオ/集英社・東映アニメーション
ABEMA TIMES編集部