土人形でほっとする辰年に 干支にちなんだ作品づくり、中野市で大詰め
長野県中野市に伝わる郷土玩具「中野土人形」の制作を代々受け継ぐ奈良由起夫さん(53)=中野市笠原=の作業場で、来年の干支(えと)の辰(たつ)(竜)にちなんだ作品づくりが大詰めを迎えている。8日は色付け作業に追われ、完成間近の作品130個がずらりと並んだ。 【写真】中野土人形の招き猫。素朴な顔が魅力 奈良さんは中野土人形の一派「中野人形」を伝える家系の6代目。辰にちなんだ作品は、大黒天が雲上で竜を背にした「豊年大黒」と、獅子が竜に乗った「辰乗り獅子」の2種類がある。歯をむき出しにした竜の顔は、どこかユーモラス。奈良さんは慣れた手つきで、人形の顔に絵筆を走らせていた。 土人形は型に粘土を詰めて成型した後、窯で焼き上げ、着色して出来上がる。干支の土人形は主に受注生産。今年は夏に作り始め、他の作品と並行しながら仕上げてきた。 「見た人が、ほっとした気持ちになれたらいい」と奈良さん。今月半ばには全て完成させる計画だ。来年1月17日からは松本市の百貨店「井上」でも販売する予定。