〈カオスすぎる都知事選〉エロポスターに掲示板“ショバ代ビジネス”は「日本の恥」か。NHK党・立花孝志氏は「まさにシメシメです」有権者からは「選挙に関心を持つ人が増える」との声も
NHK党は掲示場案でショバ代稼ぎ
一方で今回もゲリラ選挙で注目を集めるのが「NHKから国民を守る党(NHK党)」だ。 「56人の立候補者のうち24人は立花孝志氏率いる政治団体『NHKから国民を守る党(NHK党)』の関係者が占めているんです。立花氏らはこの24人分のポスターのスペースを事実上販売し、選挙の掲示板があちこちで出会い系サイトや風俗の“宣伝媒体”に変貌してしまったのです」(都庁担当記者) 記者が中野区役所前の掲示板を見に行くと、「カワイイ私の政見放送を見てね」と書かれたピンク色のポスターが24枚貼り出され、そこにあるQRコードを読み込むと有料の写真投稿サイトに誘導された。 ほかにも、表参道の掲示板には女性専用風俗の広告が貼られまくっているとの情報がある。 「NHK党はウェブサイトで『選挙ポスター掲示場の常識をぶっ壊す!』をうたい文句に、党に寄付すれば都内約1万4000ヶ所に設置される掲示板のうちの1ヶ所で24枚分のスペースに好きなポスターを貼る権利を譲ると宣伝しています。 掲示板1ヶ所あたりの寄付金額という名の「料金」は、5月末までは5000円、6月1日~19日は1万円で、告示の20日からは2万5000円に設定されています」(社会部記者) 立候補者の顔と名前を売り込むポスターを貼る掲示板に、勝手なポスターを貼ってもいいのかという問題は後述するが、なぜこのようなことを始めたのだろうか。 「都知事選の立候補には1人当たり300万円の供託金が必要です。NHK党関係の24人は供託金が没収される水準(有効投票数の1割)に達することが難しく、仮に全員が没収されるとすると党側は7200万円を失う可能性があります。 一方、1か所あたり1万円の寄付を得られるとするなら1万4000ヶ所分で1億4000万円の収入になり、収支ではプラスになる計算です」(政治部デスク)
NHK党の行為は公職選挙法にあたらない?
NHK党の真意はどこにあるのか。21日の立花党首の定例の記者会見ではポスター問題の質問が続いた。 「今回、非常に大きな問題提起ができたというのが、そういう意味では大成功と思っております。ポスター掲示場を作るのに安く見積もっても設置と撤去で10万円、1万4000ヶ所で14億円というお金がかかる。 2013年にインターネットを使った選挙運動が解禁されたわけですから、合理的な理由があるものは経済的な効果も考えてやめていかなければいけない。私は掲示板が無駄だ無駄だと(これまで)何回言い続けたか」(立花氏) 選挙費用を節約するために掲示板をやめようという主張を知ってもらおうと、今回の販売を始めたというのだ。 「(今回の行動で)何かわれわれがお金儲けをするために悪用しているという報道が非常に走っていますけど、それはまさにシメシメです。次の秋の臨時国会にはポスター掲示場に関しての法改正(論議)が出てくるでしょう」(立花氏) 出会い系サイト誘導看板については「われわれは今サイトの社長と連絡を取っているなかで、これまったく出会い系サイトではなくて、月に1枚だけ写真を載せてコメントできるという、出会いようがないサイトなんですよ。出会い系サイトと勘違いされていることに関しては今後、早急に対策を練っている」と説明した立花氏。 だが、表参道の風俗ポスターは把握していなかったようで、問題があるポスターは「すぐにはがしにいきますので」とも言う。 こうした行為は公職選挙法違反にはならないのだろうか。 集英社オンラインは21日、都選管の見解を聞こうと電話を入れたが終日話し中でつながらない。都の別の部署の職員は「なんか、電話が殺到しているみたいです」という。そこで、都内の選管関係者に今回の事態をどう思うか聞いてみた。 「ポスターの内容は基本的に自由なので、立候補している別の候補者を宣伝する内容以外は何でも許されるんですよ。事前の内容チェックも何もない。エロポスターだって公選法では取り締まれない。だから警視庁は迷惑防止条例という別の法令を出してきたんですね。 ポスターショバ代ビジネスも同じで、制限はできません。以前から社会的に問題だと非難されるポスターはちょくちょく出てきましたが、議論にもなっていません。 私も個人的には『おかしいだろ』と言われれば『そうだな』と思いますが、今の法の中で選管職員としては何も言えないんですよね」(選管関係職員)