【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが注目…8月第4週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」
設備投資は増加基調に
設備投資は前期比+0.9%と2四半期ぶりのプラスとなりました。1-3月期は大手自動車メーカーの認証不正問題の影響により、前期比▲0.4%と落ち込んだものの、4-6月期は自動車の挽回生産に伴い、1-3月期の落ち込みを取り戻した格好となります。 日銀が7月1日に公表した短観では、企業の積極的な設備投資計画が示され、特に省力化や脱炭素、DX関連投資の需要が旺盛であることから、4-6月期以降も増加基調をたどることが予想されます。 輸出は前期比+1.4%と、2四半期ぶりのプラスとなりました。もっとも、4-6月期は自動車の挽回生産があったにもかかわらず、1-3月期が前期比▲4.6%と大きく落ち込んだ後としては、戻りは鈍いといえます。輸入も前期比+1.7%と、1-3月期の落ち込み(前期比▲2.5%)を取り戻しておらず、内需が本格的な回復に至っていない可能性を示唆しています。 2024年4-6月期は2四半期ぶりのプラス成⻑に回帰したものの、1-3月期に落ち込んだ反動という側面が強く、景気が本格的な回復軌道に乗ったと判断するのは、時期尚早といえます。実質GDPは、直近のピーク(2023年4-6月期)をつけた後、一進一退で推移しています(図表5)。 景気の回復を確認するためには、7-9月期の動向を見極める必要があります。
米国の新規失業保険申請件数やジャクソンホール会議などに注目
今週は、米国で公表される新規失業保険申請件数やジャクソンホール会議(カンザスシティ地区連銀主催のジャクソンホール経済シンポジウム)に注目しています(図表6)。 7月の米雇用統計では失業率が4.3%(6月︓4.1%)と予想外に上昇したことで、サーム・ルール※に基づく数値は0.53%と6月(0.43%)から上昇し、景気後退を示唆する水準に達しました(図表7)。 (※)失業率の過去12か月の最低値に対して直近3か月平均が0.5%上昇した時に景気後退が始まるとされる法則 市場の焦点が次回8月の雇用統計(9/6公表)にシフトするなか、雇用統計の公表に先立って発表される新規失業保険申請件数の重要性が増すことになりそうです。新規失業保険申請件数が増加基調を強めれば、8月の失業率悪化、ひいては景気後退入りへの懸念が再び強まることが予想されます。(新規失業保険申請件数の推移は図表8参照)。 前述の通り、インフレ鈍化傾向を示した7月の米CPIやPPI、新規失業保険申請件数の結果を確認した後、市場の焦点は8月22-24日開催のジャクソンホール会議へシフトすることになります。 近年、ジャクソンホール会議は中央銀行総裁が金融政策運営の方針を示す場として注目されています(図表9)。 今年は、パウエルFRB議⻑が9月利下げを示唆するかが焦点となります。7月30-31日に開催されたFOMC後の記者会見で、パウエルFRB議⻑は「政策金利を引き下げるのに適切な時点に近づいている」「期待しているデータを入手できれば、利下げは9月会合から検討できる」などと発言しており、その後公表された経済データでは、9月利下げを正当化する結果が示されています。 また、ジャクソンホール会議のテーマは「金融政策の有効性と伝達の再評価」となります。金融政策が経済や物価に与える影響(波及経路や時間的なラグ等)について、議論・分析が行われる可能性があります。早ければ、9月にも利下げが開始される状況において、市場の関心は、その後の利下げペースやターミナルレート(政策金利の最終到達点)にシフトすると考えられ、今後の金融政策運営に関するヒントが提供されるかも注目されます。 東京海上アセットマネジメント ※当レポートの閲覧に当たっては【ご留意事項】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『【米ドル円】東京海上アセットマネジメントが注目…8月第4週の為替相場にインパクトを与える「重要な経済指標」』を参照)。
東京海上アセットマネジメント株式会社
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