東京都日野市で「新選組まつり」参加者約400人が隊士パレード
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新選組ゆかりの地、東京都日野市で13日、14日の両日、恒例の「第20回ひの新選組まつり」が開かれました。メイン行事の新選組隊士パレードでは、公募で集まった参加者約400人が隊士に扮し、市内を練り歩きました。
13日は、高幡不動尊で隊士パレードの幹部役9人を決める隊士コンテストが行われました。パレード参加者のなかから45人が立候補。1次審査の1分間PRでは、居合いを披露する人や役への思いを語る人など、それぞれ熱意を訴えました。恐竜時代にタイムスリップした沖田総士を演じた男性など、熱心なアピールで会場を沸かせました。 2次審査に進んだ9人は、戊辰戦争での榎本武揚と土方の別れを描いた台本をもとに、土方役を演じました。審査の結果、土方歳三役に選ばれたのは、埼玉県久喜市の会社員・岡安綾希子(あきこ)さん(35)。元気で迫力ある声が特徴の岡安さんは、パレードへの意気込みについて「もう気合ですね。気合いれて、みんなが楽しく笑顔で帰れるように」と話していました。
14日朝、新選組の衣装を身にまとったパレード参加者は高幡不動尊内に集結し、出陣式を挙行。土方役の岡安さんとともに威勢良く「エイエイオー」と勝どきの声をあげました。その後、一行は高幡不動尊を出発。市内を通る甲州街道などで隊士パレードを行いました。 このほか、山車の曳行も行われ、見物客は、焼きそばや日野名物のカレーパンなどを販売する沿道の出店で好みの食べ物を買い求めたり、パレードの撮影に熱を入れたりするなど、思い思いに祭りを楽しんでいました。 境内でパレードを見送った会社員・古井詩織さん(30)は、友人からこの祭りを知らされ、名古屋市港区から訪れました。歴史好きで、新選組のなかでは近藤のファンだという古井さんは、近藤役の参加者を見て「愛嬌があって良いですね。史実に合っているキャラクターだと思いました」と笑顔で話していました。 日野市は、新選組の副長・土方歳三や6番隊隊長・井上源三郎の出身地。局長の近藤勇も含め、彼らが若き日に剣術の稽古で集った日野宿本陣など、新選組ゆかりの史跡もあります。この祭りは、こうした新選組の歴史をまちづくりに生かそうと、1998(平成10)年にはじまりました。毎年、土方歳三の命日の5月11日に合わせて、5月第2土曜日・日曜日に開かれています。 (取材・文:具志堅浩二)