「お食事時間」を少しでも長く 冷凍食品の「温め」と電子レンジ問題
昔ながらの500Wの電子レンジは時間がかかる
この冷凍食品の温め問題には、実は電子レンジの性能も関わってきます。 先のお宅では、年代物の電子レンジを使っており、これが最大出力が500Wでした。高齢の方のお宅では、わりと「あるある」なことかもしれません。みなさん、物のない時代に苦労されてきたので、物を大事に使われます。壊れるまで買い替えないという方も少なくないようです。その「もったいない」精神は素晴らしいと思うのですが、いかんせん500Wは時間がかかる…。 平均的な出力の600Wと比べ、数十秒の差かもしれません。しかし、たかが数十秒、されど数十秒。電子レンジは調理以外にも、冷たい飲み物を温めたり、清拭(タオルなどで体をふくこと)や顔を拭いていただくための温タオルを作ったりと、何かと出番が多いものです。数十秒の差が積もって、数分のロスになります。なにしろ訪問介護は分刻みなので、その数分が貴重なのです。 ヘルパーの立場から言いますと、できれば600Wどころか、700Wや800Wの出力のある電子レンジだったら、なおのことありがたいです。先の冷凍お好み焼きも、もし800Wならだいぶ温める時間を短縮でき、お出しすることができたかもしれません(ワット数を上げて温めても大丈夫かどうかは、食品によると思いますが)。 これは家電全般に言えることですが、新しいものであるほど時短で便利になっています。たとえば、高齢者宅でよく使われている電気ケトルも、お湯の沸く時間が短いほうが助かります。掃除機も、コードレス掃除機だと動かしやすく、さっと部屋中を掃除できます。 そうして、時短した分、食事時間が増えたり、ヘルパーとゆっくりお話しする時間も増えたりします。便利家電を導入していただくのは、もちろんヘルパーとしては仕事がやりやすくなってありがたいのですが、なによりお客様自身のためになることだと思います。
水沼三佳子