パンクしたから車載の修理キットで……はちょっと待て! 場合によっては「使わない」ほうがいいケースもあった
パンク修理キットは万が一の応急用
近年、軽量化や燃費向上のためにスペアタイヤ(テンパータイヤ)を廃して、代わりにパンク応急修理キットを標準化したクルマが増えてきている。 【画像】猛暑の夏に最悪なドライブにならないための「事前チェックポイント」 パンク応急修理キットには、省スペースで低コスト、ジャッキやレンチなど工具を使い慣れていない人でも、わりと簡単にパンクの応急処置ができる、といったメリットもあるが、パンク応急修理キットで補修したタイヤは、薬剤の影響でそのまま継続して使用することはできないので要注意。 パンク応急修理キットは、その名のとおりあくまで最寄りのタイヤショップや修理工場まで、一時的な移動を想定したもので、一度パンク応急修理キットのパンク修理剤を注入したタイヤの再利用はNG。修理ではなくタイヤを買い替えることが原則だ。 従って、使用年数が長く、タイヤの残り溝が少ないタイヤなら、割り切ってパンク応急修理キットを使えるが、まだ溝がたっぷり残っているタイヤにパンク修理剤を使うのは正直もったいない。 一般的なサイズの205/60R16ぐらいのサイズでも、新品タイヤは1本ざっと1万円コース。パンク修理剤も5000円前後はするので、パンク応急修理キットで対応できる軽度のパンクであっても、元のように走れるようになるには、総額1万5000円~2万円はかかる! それに対し、パンクしたタイヤをタイヤショップなどにもち込めば、一般的な外面修理でも2000円前後で修理可能。より専門的な修理となる内面修理でも費用は5000円前後なので、パンク修理剤を使わず、専門店で正式なパンク修理をお願いするほうが、ずっと経済的だ。 というわけで、パンクをした際は、スペアタイヤがあればスペアタイヤに交換し、なければJAFや自動車保険のロードサービス特約でレッカーを呼んで、パンク修理ができる工場まで移動するのが一番といえる。 さらに、JAFの会員であれば、JAFに救援要請すると、その場でパンク修理(外面修理)までやってもらえて、費用も会員であれば無料で済むので、JAF会員ならスペアタイヤのあるなしにかかわらず、パンクをしたらJAFを呼ぶのがベスト! パンク応急修理キットは、最後の一手だと思い、安易に使わないのが賢い考え方だ。 ちなみにパンク応急修理キットには有効期限があることも覚えておこう。通常、有効期限は4年間。4年たったら、未使用でも新品(5000円が目安)に交換しておくことも忘れずに。
藤田竜太