予算100万円! 限界の低さに挑戦するために学生が選んだのは、ホンダ「ストリート」と「フォーミュラ・スズキ隼」の合体でした
車高も変えられて、走行も可能
このクルマの正式名称は「ホットロティ」という。静岡工科自動車大学校に通うスポーツカー好きの学生10人が4カ月ほを費やして製作した卒業記念の作品だ。 見た目では想像がつかない構造は、フォーミュラ・スズキ隼のシャシーにパイプフレームを組み、ホンダ ストリートのボディを切り貼りし、溶接して被せている。 もともとフォーミュラマシンで車高が低かったこともあり、そのベース車ならではの特性を活かして、ただの箱車というだけでなく、ぺったんこのマシンとして表現したほうがインパクトがあると考えて製作を決行。ただ、実際に作業を進めると、ストリートのボディ寸法では幅がまったく足りずワイドボディ化が必要であることがわかった。そこで、もう1台格安でホンダのストリートを購入し、ルーフトップやボディの一部を流用加工。さらに切り貼りを繰り返し、25cm伸ばしたワイドルーフを完成させた。 フォーミュラマシンならではの低さを活かしてチョップド化したボディの全高はわずか1.1mほどという。フロント/リア/サイドのウインドウはアクリルで製作。ちゃんと乗り降りできるよう、ボディサイドにはポップアップ式のドアを装着していた。また、フロントフェイスはストリートの兄弟車であるアクティのヘッドライトとバンパーを移植。ボディ全体をアメリカンなフレームデザインにすることで、ドラッグマシンテイストなイメージも与えている。 内装については、エンジンもコクピットもフォーミュラ・スズキ隼のままだが、よく見るとボディマウントにエアサス用のバッグがセットされている。なぜこの不思議なレイアウトになったのかというと、ボディ全体のリフト量を調整するため。必要に応じてエアサス用バッグで最低地上高を変えられる仕組みになっていた。 学生たちに、この状態で走れるのか聞いてみると「走行可能モデルとして作り込んでいます」という回答。だが、公道は走れないので、学校の構内で少しだけ走らせたそうだ。ただ、手直しや改善すべき点もあるので、取材した時点では、これで完成というわけではないとのことだった。
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