えっ急に「細く」なった? 画力が上がり過ぎてびっくりの漫画家たち 「久々見て衝撃」
上達しても変わらない魅力
多くの漫画家さんは、キャリアのなかで画力を向上させていきます。そして、そのなかには単に画力が上がった、という以上に、デビュー時から大きく印象が変わるほどの劇的な進化を遂げた方もいました。 【画像】え…っ? 上達しすぎ…こちらが 『ハヤテのごとく!』の2005年「1巻」と2023年の「完全版」表紙の比較です(3枚) ●畑健二郎先生 『ハヤテのごとく!』や『トニカクカワイイ』で知られる畑先生は、デフォルメされたかわいい絵柄が特徴で、どの作品でも特にヒロインたちは高い人気を得ています。しかし、初連載作品である『ハヤテのごとく!』の初期の頃には、キャラはカワイイものの、身体のバランスが崩れていることもあり、そこまで画力が高いとは言えませんでした。 しかし、連載を続けるうちに上達し、『ハヤテのごとく!』の中盤では、シンプルながら安定した作画でキャラたちはさらに魅力的に描かれるようになっています。ただ、同作の後半では作画がデジタルになったためか、絵柄に変化が見られ、読者の間では好みが分かれているようです。 現在連載中の『トニカクカワイイ』では、特徴であるデフォルメされたキャラの可愛らしさは残しつつ、シンプルながら洗練されたタッチでさらに読者を楽しませています。 ●荒木飛呂彦先生 『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズの作者である荒木先生は、スタイリッシュで芸術的な絵柄で知られています。1987年に連載が始まった第1部や、それ以前の『バオー来訪者』などの作品の時点ですでに上手かったのですが、筋骨隆々とした劇画調の画風でした。 その後、シリーズが更新されるたび、劇画調から徐々にスタイリッシュな画風へと変化していき、その芸術性が評価されるようになっていきます。2009年にはフランスのルーヴル美術館で開催された企画展に原画が展示されるなど、先生の絵の評価は確固たるものになっていきました。 どのシリーズの絵柄も特徴があり、ファンの間でも好みは分かれますが、ネット上で特に評価が高いのが「週刊少年ジャンプ」から月刊紙である「ウルトラジャンプ」に移った第7部です。作画にかける時間が増えたためか、第7部ではスタイリッシュさに加えて描き込みの密度も増えており、1コマずつじっくり見てしまうほどの美しさでした。 ●澤井啓夫先生 マンガ『ボボボーボ・ボーボボ』を代表作に持つ澤井先生は、同作の連載中の画力向上もさることながら、続編である『ふわり!どんぱっち』『ほんのり!どんぱっち』での作風の変化が大きな話題になりました。 2001年に連載開始した『ボボボーボ・ボーボボ』は、勢いのある濃い絵柄で描くカオスなギャグが特徴で、2003年にはアニメ化もした人気作です。第2部『真説ボボボーボ・ボーボボ』では、シリアスな展開も増え賛否両論ありましたが、その画力は向上しつつも「濃い」絵柄は健在でした。 しかし、続編である『ふわり!どんぱっち』では、太かった線が細くなり、現代的な絵柄に劇的に変化したのです。その傾向は続く『ほんのり!どんぱっち』ではさらに顕著で、かつての濃い絵柄を懐かしむ声もありましたが、「こんな絵も描けるんだ」と多くの読者を驚かせました。
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