女性信者から次々に性被害を訴えられているチョン被告（中央マスクの人物）。’08年２月撮影（PHOTO：ロイター／アフロ）

「被害者に対して性的暴行をした事実はなく、本人も自身を『再臨イエス』と自称した事実はない」 【日韓トンネル内部も…】韓国発祥・問題の巨大教団団体　肉薄した写真家「決死の秘蔵」写真 控訴審でも宗教団体の教祖側は、起訴内容を否認した。 ３月５日、韓国の大田（テジョン）高等法院で開かれた『キリスト教福音宣教会（以下ＪＭＳ）』総裁・鄭明析（チョン・ミョンソク）被告（78）の公判。チョン被告は、女性信者に対し強制わいせつ行為などをしたとし１審で懲役23年の有罪判決を受けていた。しかし、チョン被告側は「原告側が提示した音声ファイルはコピーなので証拠として成り立たない」と主張し、控訴していたのだ。 『ＦＲＩＤＡＹデジタル』は’23年４月20日配信の記事で、女性信者がチョン被告を訴えたトラブルについて詳しく報じている。再録し、韓国社会を揺るがす一大宗教スキャンダルを振り返りたい（内容は一部修正しています）ーー。 ◆被害を訴える女性の中には外国人も 「メシアから性的暴行を受けた」 韓国で自身を「メシア」「再臨イエス」と称したとされる宗教団体の教祖を、セクハラ被害で訴える女性が相次いでいる。韓国西部・忠南警察は’23年４月13日、30代の女性信者が告訴状を提出したと発表。これで性被害を告発した女性は６人となった。 「訴えられたのが『ＪＭＳ』の総裁チョン被告です。最初に公になった事件は’01年８月にさかのぼります。マレーシアや香港のリゾートマンションで、’06年４月までの約５年間にわたり20代の女性信者４人に対し性的暴行を繰り返したとか。チョン被告は懲役10年の有罪判決を受け、’18年２月に出所しました」（韓国紙記者） 性的暴行を訴えているのは韓国人女性だけではない。外国人も被害を告発している。 「’18年２月から’21年９月まで西部・錦山郡の『ＪＭＳ』の施設で、17回にわたりわいせつな行為を受けたと主張するのは香港籍の女性信者です。同じ施設で’18年７月から同年12月まで５回の性的暴行をされたとするのは、オーストラリア国籍の女性信徒でした」（同前） 公となった被害女性は氷山の一角かもしれない。『ＪＭＳ』への追及を続ける檀国大学のキム・ドヒョン教授が’23年３月にラジオ放送局『ＹＴＮ』の取材に語った内容によると、チョン被告から性的被害をうけた女性は１万人を超える可能性があるという。キム教授の話では、チョン被告は以前こう語っていたとされる。 〈（女性）１万人を性的救済することで『天の恋人』にするのが究極の目標だ〉 さらに４月18日には、『ＭＢＣ』のテレビ番組により衝撃の事実が明らかになった。 「番組に出演した証言者によると、チョン被告の服役中に教団ナンバー２のＡ氏が美しい女性信者たちを施設内の一室に集めたそうです。Ａ氏は女性たちに煽情的な服を着せ撮影。写真を獄中のチョン被告へ送っていたといいます。 さらに女性たちの服を脱がせ、特殊な液体を身体中に塗って石膏像を作成。選ばれた信者は『スター』と呼ばれ、外国人を含め1000人以上いたとか。番組によれば、彼女たちへはチョン被告から『溶鉱炉のように愛してあげる』などと書かれた手紙が届いていたそうです」（同前） 『ＪＭＳ』の教祖による性的暴行疑惑は、’23年３月に公開されたネットフリックスのドキュメンタリー『すべては神のために：裏切られた信仰』で広く知られるようになった。同作や法廷での検察側の主張によると、チョン被告は女性信者たちを洗脳し抵抗できない状態にして、犯行におよんでいたとされる。 真実は今後の法廷で明らかになるだろう。