オリオールズと契約の菅野智之、「メジャーではもっと内角高めを攻め、変化球を増やす」米アナリスト予想
菅野智之投手(35)は巨人から海外FAとなり、オリオールズと年俸1300万ドル(約20億3000万円)で1年契約。米放送局マーキーSNのランス・ブロドゾウスキー野球アナリストは、21日(日本時間22日)までに菅野の投球を予想を加えながら分析した。 「総合的には洗練され、レパートリーも十分。各球種の伸ばすべき点は多くない。不調のときでもしっかり結果を出せる。その一方、伸び代は限られている。メジャーでは真ん中を避け、もっと打者の内角高めを攻めるように変えるはずだ。その制球力もある」 直球は真ん中近辺を攻める傾向があるため、「メジャーの打者に真ん中へ集めても通用しない」と断言。「直球を劇的に減らすよう進言されるかどうかは微妙だ。というのも、直球の割合は既に34%と少ないからだ。だが、オリオールズは変化球を増やすようプッシュするだろう。何よりもコントロール抜群だし、直球よりもダメージは少ない」とした。 変化球については、スイーパーの投球割合21%は直球の34%に次いで高く、平均球速133・5キロ、iVB(スピンによる縦変化)5センチ、横変化28センチ、2650rpm(回転/分)、ボール球を振らせるチェース率33%、空振り率25%と紹介。「標準的なスイーパーでスピンもいい。ストライク率73%は変化球として素晴らしく、データと比して平均的な結果をもたらしている」とした。 カットボールは投球割合20%で、平均球速142キロ、iVB16・5センチ、横変化なし、2500rpm。ストライクゾーン率54%、チェース率22%、空振り率16%。「左打者にミートをさせづらくする球で、標準的なカットボールのデータとなっている」 スプリットは投球割合16%、平均球速139キロ、iVB15センチ、1500rpm。ストライクゾーン率10%、チェース率50%、空振り率40%。「間違いなくメジャーで投球割合を増やすはずだ。空振りを奪うための最高の武器だが、ストライクゾーンに入るのはまれ。カウントが深くなったときに空振りを奪うための球種で、特に左打者に有効。スプリットはストライクゾーンを外れがちな球種で、20~30%ならばいい数字だが、10%というのはドラマチックだ」 カーブの投球割合は9%、平均球速125・5キロ、iVB30・5センチ、横変化28センチ、2800rpm。「チェース率60%は持ち球の中で最高。ストライクゾーン空振り率50%で、さらに初球ストライクは50%超。球速やデータから推測されるより深いカウントでも使われている。早いカウントでストライクを取れ、ストライクゾーンで空振りを奪える球種でもある」とした。
中日スポーツ