【玉ノ井親方 視点】大の里は慎重になりすぎている。このままでは相撲が小さくなるだけだ
◇大相撲九州場所6日目 ○若隆景(押し出し)大の里●(2024年11月15日 福岡国際センター) 大の里は勝たなければいけないというプレッシャーで、相撲が慎重になりすぎている印象だ。 若隆景戦も立ち合いで相手を見て立っている感じだった。懐に入られたくないので、警戒していたのだろう。胸から当たって右を差しにいくというよりも、あてがっていた。そのため、うまく圧力をかけられなかった。 体が大きくなく、下から押し上げてくる若隆景のようなタイプは、大型力士の大の里にとっては、取りづらい相手だろう。それもあって、動きがスムーズにいかなかった面もあると思う。 ただ、大の里の持ち味は立ち合いの当たりの強さと、一気に前に出るスピード。もっと体を使ってダイナミックに取っていけば相撲の流れも良くなる。 立ち合いでかち上げにいったり、もろ手で当たって押し込んでから右を差しにいくなど、先に相手に動かれるのではなく、自分から動いて主導権を握るようにした方が良い。 勝敗を気にして慎重に取ってばかりいては、相撲が小さくなるだけだ。(元大関・栃東)