193cmの長身スイマーはロサンゼルス五輪を目指し…長い腕は50m自由形の大きな武器に 静岡
才能はあってもそれを伸ばせない。若くして引退も考えたが、それでも諦めなかった理由は目標を捨てなかったからだ。 「小学校から夢見ていた全国大会なので、インターハイに行きたいという強い信念を持って諦めることなく頑張れた」と松田選手は話す。
手術4カ月後に全国大会出場
夢への挑戦が彼を奮い立たせ、高校2年生の春に肺気胸を克服するため手術を決意した。つらいリハビリ生活だったが思い切った決断が功を奏す。 腕を鍛えて水をかく時の手の動きが意識できるようになり、陸で感覚をつけて水中でも生かせるようになったそうだ。 「パワーをつけてスピードのある泳ぎができている」とレベルアップを実感している。
病気を克服した松田選手は急成長。 大きな体を最大限に活かす腕の動きやパワーを身に着けると、手術から4カ月後の2022年夏には県大会と東海大会の二度の予選会を突破し、念願の全国大会インターハイに出場した。
高校3年になった2023年のインターハイでも50m自由形に出場し、23秒42で10位だった。 そして、2024年2月には22秒12(短水路)を出して静岡県の高校生記録を更新した。高校生を含むすべての世代の静岡県新記録だ。
筑波大に進学しロス五輪目指す
無限の可能性秘めた大型スイマーに対しては、全国17の大学から誘いがあった。その中で「科学的な研究に基づいた指導が受けたい」と、2024年春に筑波大学へ進学。 松田さんは筑波大学を選んだ理由について「絶対的な(指導の)根拠がある方が自分のレースに自信を持って取り組むことができるし、そういう意味で自分にあっていると感じた」と話す。
病気を克服した今、彼の成長を止めるものはない。大型スイマーはさらなる夢に向かって泳ぎ続ける。 筑波大学1年・松田隼人 選手: 大学生になると一人暮らしになっていろいろ誘惑があると思うが、時間を無駄にせずに筋トレや食事はもちろん、練習にも取り組んでいきたい。自信も持って、ロサンゼルス五輪をかけた日本選手権に出場できるようにしたい
病気を乗り越えた競泳選手というと池江璃花子 選手が記憶に新しい。2019年に白血病と診断されたが、驚異的な回復で2021年の東京五輪に出場。2024年3月にはパリ五輪の出場権も獲得した。 池江選手のように病気を克服して五輪出場へ。 長身スイマーの松田選手は強い精神力でパリの次、2028年のロサンゼルス五輪を目指す。
テレビ静岡