九州大学と台湾の大学、半導体の共同研究室設置で合意…TSMCとの取引参入目指す企業の支援拠点に
九州大学は27日、台湾の陽明交通大学と半導体分野の共同研究室を設置することで合意した。共同で研究や人材育成を進めるほか、熊本県に進出した台湾積体電路製造(TSMC)に関連する取引への参入を目指す九州の企業を支援する産学連携の拠点にしたい考えだ。 【動画】台湾・TSMCが進出、巨大半導体工場と町の変化…熊本県菊陽町
この日、両大学のトップが福岡市の九大でMOU(覚書)を結んだ。研究室は相互のキャンパスに設置する計画で、両大が教授数人を配置し、教授や学生の派遣も検討する。企業も含め、日台の幅広い人材の交流や情報交換の拠点とする。
陽明交通大はTSMCが本社を置く台湾の「新竹サイエンスパーク」にあり、産学連携の中核を担う。一帯に集積する半導体関連企業との研究や人材育成で協力しており、九州でもこうしたノウハウを提供する。
TSMCは半導体の受託製造で世界最大手で、九州の企業が新たに取引を始めるのが難しいとされる。今回の合意では、九州の企業の技術レベルを向上させ、参入を促すことも目標とした。
九大で記者会見した石橋達朗学長は「今、九州は半導体ブームだ。遅れをとらないよう、協力を進めたい」と話した。陽明交通大の林奇宏学長は「両大学は相互補完的な立場。今まで以上のことを成し遂げることができる」と力を込めた。