金沢学院大附、航空石川、星稜、シード校順当 北信越高校野球県大会
●星稜、延長十四回制す 第151回北信越高校野球県大会第4日(14日・金沢市の県立野球場=北國新聞社後援)2回戦3試合が行われ、シードの3校が新チームになって初の公式戦で勝利を決めた。星稜は遊学館を延長十四回タイブレークの末に6―4で破り、金沢学院大附は能登に15―0、航空石川は金大附に16―0でいずれもコールド勝ちした。 星稜と遊学館の優勝候補同士の組み合わせはお互い一歩も譲らぬ好ゲームとなった。先発した星稜の道本想(2年)は12回、遊学館の吉田成希(同)は10回を投げ、いずれも無失点で抑えた。0―0の延長十三回は両チームとも3点を取り、迎えた延長十四回、星稜が4番宮岸駿丞の2点適時三塁打などで3点を勝ち越すと、遊学館は1点を返し、なおも無死満塁の好機を得たが、あと1本が出なかった。 ●金沢学院大附の石﨑が10奪三振 金沢学院大附は先発のエース石﨑大空が能登に6回を投げ10奪三振、航空石川は夏の大会まで内野手だった及川蓮志が金大附に五回を投げて9奪三振で、いずれも無安打無得点に抑えた。 ●道本、新エースの自覚 12回を無失点で抑えた星稜の道本は「夏の大会は試合の入り方で失敗したので気をつけた。調子は良くなかったが、相手のエースに負けない気持ちで投げた」と手応えを示した。十三回が始まる前に左足のけいれんで降板し「まだまだ投げられたけど、(交代した)織田は1年生ながら信頼できる投手。『後は任せた』と声を掛けた」と振り返った。 新チームで背番号1を託された初のマウンド。緊張したものの、試合直前に「やるしかない」と腹をくくった。「もう引っ張ってくれる先輩はいない。その役目は自分が果たす」。新エースは力を込めた。 3時間半に及ぶ試合を終えた星稜の山下智将監督は「すごい試合でした」と疲れた表情を見せ、「どっちに転ぶか分からない試合だったけど、道本が気持ちの入ったいい投球をしてくれた」とたたえた。 ●夏のリベンジならず 遊学館エース吉田 敗れた遊学館ナインの中には球場の外で涙に暮れる選手がいた。今夏の選手権大会の準々決勝でも星稜と対戦し、延長タイブレークの末に敗れ、リベンジに燃えたが及ばなかった。10回無失点の好投を見せたエース吉田は「ここで勝って、いい形で来年の夏につなげたかったが悔しい」と唇をかんだ。 タイブレークでは3点差を追い付く意地を見せたが、最後はあと一本、適時打が出なかった。中川光雄監督は「スクイズを含めて確実に点を取る練習を冬はしていかないといけない」と話した。 変化球を武器に星稜打線を抑えた吉田は11回のマウンドに向かったが右足がつって無念の降板。「もっと練習して、誰にもマウンドを譲らないようにしたい」とエースの自覚を見せた。