「志保ちゃん、おかえり!」大山志保は2年4カ月ぶり復帰戦で再三の涙「幸せな気分でした」
かつて、ヒジの故障を振り返り「痛みに強いみたいで、ホントにひどくなるまでガマンしちゃったんです」と口にしていた大山が、眠れなかったほどの痛みとは、いかばかりか。壮絶な日々だったことは想像にかたくない。 それでも、ツアーに戻って来た。ツアーを離れていた時間の長さは、スコア提出所で戸惑うシーンが示していた。「自分は(相手の)マーカーなのに、プレーヤーの方にまちがってサインしちゃったりして」と苦笑する。同伴競技者の鈴木愛に指摘され、書き直している姿は、2年以上、試合を離れていたことの表れに他ならない。 この日は、1バーディー5ボギー、1ダブルボギーの「78」でプレー。6オーバーは95人中、下から2番目の93位タイだった。 「1週間くらい前に夢を見たんです。ハーフ『42』を打った夢。これじゃ『80』超えちゃうじゃん、と思って」という話も、それだけゴルフがしたかったということだ。「気持ちしかないです。気持ちで、今できるベストを尽くす感じです。戻ってこられただけで100点だけど、私は欲深い性格なので、まだゴルフが全然というところが悔しい。伸びしろしかないです」と表情は明るい。 「(復帰のために)チャレンジしたな、というそこだけは(自分を)褒めてあげたいなと思います。私、何か目標を持っていないと抜け殻みたいになってしまうので」と、47歳になった今も大山はしっかりと前だけを見つめている。
小川淳子(ゴルフジャーナリスト)