《激戦区を行く》論戦、秋の陣突入 茨城1区 前職2人しのぎ削る 知名度向上急ぐ維新、共産
衆院選が15日公示され、茨城県内小選挙区に立候補した24人が12日間の選挙戦に突入し「秋の陣」が火ぶたを切った。地方活性化や物価高対策、「政治とカネ」問題への対応が注目される中、27日の投開票に向けて激戦を繰り広げる選挙区の姿を追った。 【1区】(届け出順) 田所嘉徳 70 自民 前(4) 武藤優子 60 維新 新 高橋誠一郎 29 共産 新 福島伸享 54 無所属前(3) 自民と無所属の前職2人がしのぎを削る中、維新と共産の新人2人が加わり、4人の選挙戦となった茨城1区。 「真摯(しんし)に反省しているが、それだけで政治が良くなるわけではない」。15日、笠間市で街頭演説に立った自民前職の田所嘉徳氏(70)は声を張り上げた。 党派閥による裏金事件を巡り、逆風にさらされる自民。応援弁士は「今回は厳しい」「正念場」などと訴えたが、陣営幹部は「逆風だが、田所氏に後ろめたいことは何一つない」と強調、責任政党として実績と力を訴える構えだ。 無所属前職の福島伸享氏(54)は、小選挙区で敗れれば比例復活がなく、支援に回る参院議員は「他の政党も(候補が)乱立している。非常に厳しい」と危機感を募らせる。支援者からは前回のような「野党共闘」が実現せず、「失った票は大きいのでは」との声も漏れるが、陣営幹部は「負けたら終わりは前回も同じ。『背水の陣』、再びだ」と支持基盤をさらに固める意向を示す。 維新新人の武藤優子氏(60)は前回4区から1区に変更し、知名度向上に余念がない。15日は「象徴的な場所」として水戸市のハローワーク水戸前を第一声の場所に選び、「日本を茨城から変えていく」と声を張り上げた。 その後も選挙カーをフル稼働させ、水戸、笠間など4市1町6カ所で街頭に立ち「日本の政治は一から大どんでん返しが必要」と政権交代の必要性を訴えた。 「暮らしと平和を守る代表として国会に押し上げて」。共産新人の高橋誠一郎氏(29)は15日、水戸市内のスーパーや市営団地などで街頭演説に立ち、消費減税や労働時間の短縮、賃上げ実現の必要性を訴えた。 29歳の若さを前面に押し出して知名度アップを図る。選挙戦では水戸、笠間の両市や城里町などで遊説を重ね、幅広い支持を集めて同党の比例票獲得にもつなげたい考えだ。
茨城新聞社