「企業から評価される大学生」がとる“他の学生と違う”3つの行動。採用支援の専門家がぶっちゃけ
企業は面接やインターンシップでどんな学生を評価しているのだろうか? 自社に入社してから活躍できる能力を持った人材をさまざまな手段を使って見つけようとしており、それらの能力は一般的には「社会人基礎力」と呼ばれる。社会でどんな仕事をする上でも必要となってくる基礎的な力のことだ。 【TOP10】人事担当者から見た「就職力が高い大学」ランキング! 2位「横浜国立大学」、1位は? この能力は高校や大学時代のさまざまな経験を通じて培われるので、それをうかがい知るために、面接やエントリーシートでは「学生時代に最も力を入れたこと」(通称ガクチカ)について必ず聞かれる。 社会人基礎力には大きく分けて、対自己基礎力、対人基礎力、対課題基礎力の3つがあり(リクルートワークス研究所)、これらの能力が高い人材が社会に出て活躍する可能性が高いといわれているが、実はそういった能力を持つ学生たちは大学の授業でも他の学生と違った行動特性を持っている。 筆者は毎年、大学の経営学部などで授業を受け持っているが、通常の座学ではなく社会人基礎力の開発に有効なPBL(Project Based Learning)といわれるプロジェクト型の授業を行っている。 PBLの授業では対自己、対人、対課題、の3つの基礎力が特に分かりやすく学生の行動に現れやすい。ではそれぞれの能力を持つ学生はどんな学生なのか?
◆(1)「対自己基礎力」が高い学生の特徴:自己管理力と精神的なタフさ
対自己基礎力を一言で言うと「セルフコントロール力」である。自分自身の行動や感情を自分自身でうまくコントロールする力だ。 対自己基礎力が高い学生は基本的には授業の出席率が高い。学生でよくある、朝寝坊したのでそのまま授業を休んでしまうというようなことはあまりなく、日々の生活リズムも安定している。 課題もしっかり期限までに提出するので、真面目で優等生タイプの印象があり、教授からも信頼されやすい。 この対自己基礎力が高い学生の大きな強みは、「精神的にタフなこと」である。 対自己基礎力の中には感情制御力も含まれる。これは「ストレスコーピング」と呼ばれる外的なストレスや自身の感情の変化に対してうまく対処する力である。 PBLの授業では必ず4~5人を1グループにしてプロジェクトを行う。 当然メンバー同士の意見のぶつかりや人間関係の問題が起こることもあり感情的にも落ち込んでしまう学生もいるが、対自己基礎力がある学生は問題が起こっても平然とプロジェクトに取り組める。 一種の「鈍感さ」もあるのかもしれないが、そういった学生の多くは過去に部活動や学校生活で多くの問題に直面して乗り越えた経験を持っている。 そのため何か問題やストレスの原因になることがあっても「なんとかなる」という根拠のない自信があるのだ。 日々の学生生活や授業で出される課題の提出期限、チーム活動で起こる問題でのストレスなどを含めて総合的に自己管理ができる学生は見ていてとても頼もしい。