じっくり考えてから質問に答える姿が印象的な鈴鹿。モデル業もこなしており、スーツの着こなしはバッチリ＝東京・青海

俳優デビュー5周年を迎えた鈴鹿央士（24）が、フジテレビ系「嘘解きレトリック」（月曜後9・0）で月9に初主演している。ドラマ看板枠の座長を任されても気負いはない。女優、広瀬すず（26）に〝スカウト〟された逸材は、今やその枕詞（まくらことば）から巣立ち、スター俳優に名を連ねた。夢中で駆け抜けた5年間で培ったもの、この先に描く未来とは－。（ペン・渡邉尚伸、カメラ・萩原悠久人） 【写真をもっとみる】じっくり考えてから質問に答える姿が印象的な鈴鹿。モデル業もこなしており、スーツの着こなしはバッチリ（全18枚） 昭和のレトロ感あふれるスーツを着こなす、令和の〝おうじさま〟。オーダーメードの衣装のため、撮影で壁に寄り掛かる際は、ほこりをササッと払うしぐさでにっこり。おちゃめな振る舞いで場の空気を和ませた。 記者が鈴鹿を初取材したのは、NHK連続テレビ小説「なつぞら」でドラマデビューした2019年。当時の紙面を見た鈴鹿は「19歳！　あれから早いし、1年1年が濃く、充実した5年間でした」と振り返った。 フジ系「嘘解きレトリック」では、ダブル主演の松本穂香（27）演じる嘘を聞き分ける能力を持つ助手とともに、難事件に挑む貧乏探偵を熱演。穏やかで温かみのある口調は主人公・左右馬（そうま）そのものだ。 フジの月9といえば、数々の名作を生み出してきた看板枠。初出演にして主演の座を射止め、「自分に務まるかな？…と思いつつも、楽しみな気持ちがすごく大きかった」と強心臓を持つ。 先月20日に行われた同局制作のドラマ7作合同イベントでは、反町隆史（50）や藤原竜也（42）ら各枠の主演俳優がいる中、先陣を切って登場。トップの役者が集い、「『反町さんがいる。藤原さんだ。すごいなあ』って思っていました」と話す瞳の輝きは5年前と変わらない。 高校2年だった16年、岡山県内の学校で行われた映画「先生！、、、好きになってもいいですか？」の撮影にエキストラとして参加。現場にいたすずの目に留まり、マネジャー経由で芸能界入りを打診され、卒業後の18年に上京した。 19年に天才ピアニストを演じた「蜜蜂と遠雷」で映画デビューすると、新人賞を総なめに。その後はTBS系「ドラゴン桜」（21年）など話題作に出演。フジ系「silent」（22年）では、愛情と友情のはざまで揺れる難役を繊細に演じて視聴者の心をつかんだ。