全国ロボコン5年ぶり 困難乗り越え出場へ 茨城高専 「アイデア出し切る」 17日都内
茨城県ひたちなか市中根の茨城工業高等専門学校が17日、5年ぶりに「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト」(高専ロボコン)に出場する。新型コロナウイルスの影響による技術継承の断絶などの困難を乗り越え、地区大会で好成績を残して悲願を達成した。出場するロボット部員8人は全国大会へ向け「アイデアを出し切りたい」と意気込む。 今大会は大型ロボが小型ロボを円上の的に向けて発射し、小型ロボにボールや箱を回収させ、大型ロボに届けさせる競技を実施。時間は2分30秒以内。着地点や回収した数などで得点を競う。 チームの最上級生として全体のサポート役を担う4年の稲田睦海さん(18)は「ここに来るまでは大変なことも多かった」と振り返る。 コロナ禍で2020年からオンライン開催となるなど、競技コンセプトが変わり、それまで培った技術が生かせなかった。活動制限のために、毎年高専ロボコン後に行われていた技術講習会が開けず、後輩への技術面での引き継ぎができなかった。 22年に競技内容がコロナ禍前に戻り始め、技術講習会なども再開。部員同士が積極的にアイデアを出し合い、全国を目指してさまざまな課題に挑み続けた。特に小型ロボの発射実験は、1500回以上実施。壊れるたびに修理、補強を重ね精度を上げた。 9月に千葉県千葉市で開かれた関東甲信越地区大会には、同校の2チームを含め10校20チームが出場。優勝こそ逃したが、2チームのうちの1チーム「銀河鉄道αiR_liNe(エアライン)」が全国大会に推薦された。発射された小型ロボが的の中心に2試合連続で着地。精度の高さが評価された。 地区大会後も部員は小型ロボの着地の衝撃を和らげるためなど、改良を重ねた。ロボを操作する3年の藤本俐里さん(18)は「素早く正確な操作で時間ロスを生まないようにしたい」と強調する。 高専ロボコンは17日、東京・両国国技館で行われ、26チームが出場する。稲田さんは「自分たちの考えたアイデアを全て出し切れば良い結果が出る」と力を込めた。
茨城新聞社