『光る君へ』出演の若手俳優・吉柳咲良、”元祖オタク”役に共感「世界を救うと思う」
昭和の大スターたちを堂々と力強く演じ話題に
――2024年の年明けすぐに放送された『アイドル誕生 輝け昭和歌謡』では、山口百恵さんを演じていました。大先輩ということでプレッシャーもあったと思いますが、歌唱シーンも含めとても素晴らしかったです。 吉柳:本当ですか! ありがとうございます! ただ、あまりにも存在が大きすぎて、どう演じたらいいのか正解がわからなかったというか、いろいろな出来事や気持ちにしても、結局のところご本人にしか正解はわからないじゃないですか。 ――確かにそうですね。 吉柳:そのなかで私が台本からどこまで汲み取れるか……誰もが知っている方なので「そうじゃない」と言われてしまうプレッシャーはありました。それでも佇まいや雰囲気を少しでも出せればと思ったので、撮影前に当時のオーディション映像やラストコンサートを拝見して。 ――いかがでしたか? 吉柳:特に“目”が印象的でした。視線があまり動かないんですよ。常にジッと先を見ているイメージというか、いろいろなところで“覚悟”を持たれていたんだなって感じました。 ――ドラマのクライマックス、レコード大賞を獲れず無言で会場を去っていくシーンが印象的でした。 吉柳:あのシーンは私も本当に悔しくて、もういてもたってもいられなくて。思わず立ち去ってしまう気持ちが理解できました。それだけのめり込んでいました。 ――『ブギウギ』の水城アユミもインパクトがありましたね。大先輩で国民的スターであるスズ子(趣里)に堂々と立ち向かってました。 吉柳:彼女はとても素直な子なんだと思います。あまりにもまっすぐで、歌手としてスズ子に勝たないといけないという強い意志や欲をそのままぶつけて、肝が据わっているなと。 ――共感できる部分はありましたか? 吉柳:スズ子の圧倒的な力を目の前で見せられて、ちゃんと砕かれる感覚、とても共感できました。どうしても勝てない自分の未熟さをわかりながら、『ラッパと娘』を歌うシーンでは「爆発するぞ!」という気持ちとともに、私も彼女と一緒になって本気でぶつかっていきました。 ――ドラマといえば、2025年1月スタートの日曜劇場『御上先生』にレギュラー出演されるそうですね。 今回、私が演じる椎葉春乃はとある難しい問題を抱えている子ですが、ストーリーが進むにつれ、それが少しずつ明らかになっていきます。最初は辛くて台本が読めませんでした。なぜこのタイミングでこの役に出会ったんだ、というか引き寄せられたのか。同時に私自身、向き合いたくない自分の弱さとも向き合わざるを得なかったですし。私は演じることでしか彼女を救えないので、全うするしかない、という気持ちで今はいっぱいです。