任天堂、今期の営業利益を3600億円に下方修正-市場予想下回る
(ブルームバーグ): 任天堂は5日、今期(2025年3月期)の営業利益予想を4000億円から3600億円に下方修正した。市場予想平均(3837億円)も下回った。
中間期までの販売状況や今後の見通しを反映し下方修正した。家庭用ゲーム機「スイッチ」の通期販売台数予想を1350万台から1250万台に、ソフトも1億6500万本から1億6000万本に見直した。今期の想定為替レートは1ドル=140円、1ユーロ=155円を据え置いた。
発売8年目のスイッチは、会社側も後継機に関する発表を今期中に行うと明らかにしているため、ハード、ソフトとも販売が伸び悩む。4-9月のハードの販売台数は前年同期比31%減の472万台、ソフトも28%減の7028万本と振るわなかった。
識者からはライフサイクルの終盤に入ったスイッチのビジネスが現状のままでは厳しいとの見方が相次ぐ。
ゲームコンサルタント会社カンタンゲームスのセルカン・トト代表は、任天堂は後継機の準備を進めており、年末商戦向けの目玉ソフトがないため、新規ユーザーにスイッチを買ってもらうのは難しくなっていると説明。マーケティングの強化やソフトとハードのセット販売のような実質値下げなどが必要になると述べた。
東洋証券の安田秀樹アナリストも、足元では「米国の落ち込みが顕著。スイッチの賞味期限が切れつつある」と総括。そもそももう次世代機が出ていてもおかしくない時期で、「このままだとスイッチの勢いはさらに大幅に下がるだろう」と述べた。
一方、ゲームの人気キャラクターなどを活用した知的財産(IP)関連ビジネスは活発だ。10月には京都府宇治市に ニンテンドーミュージアムを開館。人気ゲームシリーズ「ゼルダの伝説」の実写映画化も発表するなどIPビジネス拡大に向けた取り組みを進める。
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Yuki Furukawa, Takashi Mochizuki