陸上自衛隊 御殿場で総合火力演習 離島防衛念頭 対応力示す
陸上自衛隊は26日、最大規模の実弾射撃演習「富士総合火力演習」(総火演)を御殿場市の東富士演習場で実施した。南西諸島を念頭に、島しょ部への敵の侵攻を退ける想定。無人航空機(UAV)や通信電子情報を活用した現代戦の熟練度、緻密な指揮統制能力など防衛力の現状を示した。 昼間と夜間に分けた演習のうち、昼間は陸自が装備する各種火器、火砲などの性能や効果を披露した。昨年11月に鹿児島県・屋久島沖で起きた墜落事故後に飛行を一時見合わせた輸送機オスプレイも登場した。想定訓練ではUAVなどで戦場の情報を的確に把握し、ランダムに現れる標的へ戦車や火砲が射撃した。作戦を妨害する敵役を火力で制圧する場面も見られた。 防衛省は中国の海洋進出が続く中、九州・沖縄の離島に駐屯地を開設するなど「南西シフト」を進めている。演習は離島防衛の対応力を明示する狙いがある。 昼間演習は弾薬約47・8トン(5億6千万円相当)、夜間は約20・6トン(2億8千万円相当)を使った。隊員約3千人、戦車や機動戦闘車など53両、各種火砲38門を投入した。隊員教育重視の目的から前年に続き一般公開はしなかった。木原稔防衛相らが視察した。
静岡新聞社