混みすぎ危険で苦渋の決断…「春日井市民納涼まつり」の花火大会が中止に 代わりは夜空に浮かぶランタン300個!? 愛知・春日井市
もうすぐ花火の季節。全国各地で花火大会が予定されていますが、そんな中、愛知県春日井市の夏の風物詩「春日井市民納涼まつり」の花火大会は中止が発表されました。大迫力の花火が近くで見えるとあって、去年は20万人近くが訪れた歴史ある花火大会。開催断念の理由は何だったのでしょうか…? 【動画】夏の花火中止に 代わりはランタン300個!?
50年の歴史がある花火大会 隙間がないほどの雑踏で危険性を再認識
長年地元で親しまれてきた「春日井市民納涼まつり」。春日井市に住む浦下さん親子は、納涼まつりの名物である花火を一眼レフで撮影。毎年のように家族で花火の撮影を楽しんでいたといいます。 浦下幸美さん: 「春日井の花火って、打ち上げるところと観客との距離が近い。ちょっとでも近くにいたいという気持ちで、できるだけ前の方でいつも見ています」 そんな思い出の花火大会が思わぬ事態に。今年7月に行われる納涼まつりでは、花火大会を行わないというのです。春日井市民からは「毎年なきゃいかん存在です」「花火がなくなったということで、今年はちょっと(行くのは)控えようかな」など、惜しむ声が続々と上がっています。
1977年に始まった花火大会。約50年にわたる歴史が、なぜ途絶えてしまうのでしょうか。市の担当者に理由を聞いてみました。 春日井市 市民生活課 川島浩資課長: 「雑踏の中で人に押されて転んでけがをしてしまったなど、もうちょっとで重大な事故につながるという案件が何件かありました」
市が危機感を持ち始めたのは、おととしのこと。韓国・梨泰院(イテウォン)で起きた群衆雪崩による死亡事故がきっかけでした。 そこで去年、納涼まつりの会場に定点カメラを設置して調査。コロナ禍が明けたことで過去最高の18万2000人が来場し、カメラには隙間がないほどの雑踏が映っていました。 市は、危険性を再認識したとして、中止に踏み切ったのです。
約5000発の花火の代わりは…夜空に浮かぶランタン300個!?
花火大会の中止を惜しむ声が上がる中、市は、花火大会の代わりとなるイベントの実施を決めました。その名も「スカイランタン・フェスティバル」。 スカイランタンⓇとは、LEDがついたランタンをヘリウムガスで膨らませて空に浮かべる、熱気球を模したもの。ヒモをつないで浮かべるのですが、ヒモが外れないような構造になっているので、どこかに飛んでいくという心配もなく、環境にも配慮されています。