国会本会議のタブレット使用は「品位」に欠ける? DX推進の玉木氏「時代遅れの百点満点よりも、未完成でもトライアンドエラーすべき」
国会のデジタル化推進のため行われた、衆議院議院運営委員会のDX検討会。ペーパーレス化などさまざまな議論がされたが、意見が割れたのがタブレット。本会議場での使用について、自民党と共産党が否定的な立場を示し、合意には至らなかった。自民党が否定した理由は「品位」だ。 【映像】採決時に「与党も野党も茶番」 品位で注意された事例 コロナ禍を機に、多くの先進国が議会や委員会の審議や評決にオンラインを導入するなど、デジタル化を進めている一方で、進まない日本の国会のDX化。どうすれば前進するのか。『ABEMA Prime』では、本会議でのタブレット使用解禁を提案している国民民主党の玉木雄一郎代表を交え議論した。
玉木氏は「総理への代表質問で読む紙などは基本的にタブレットで作っているので、そのまま使わせてくれというだけ。DX化という大げさな話ではない。実は何回かチャレンジしているのだが、ずっと拒否されている。特に理由はなく、一度ダメだと言って引き下がれなくなっているのだろう。選択肢として、使い分ければいいのではないか」と述べる。 タブレット持ち込みについて、本会議は衆参両院とも禁止だが、委員会については衆議院で2020年から試行的に解禁(スマホ除く、通信機能は禁止)、参議院で2022年から試行的に解禁(スマホ除く、通信機能もあり)されている。「通信機能あり」の場合の懸念として、議員が審議に集中できなくなること、非公開資料をタブレットへ配布する場合の情報流出のおそれ、SNSでの発信まで認めるべきかなどがある。
玉木氏は「共産党も反対しているが、大臣の答弁中、質問に詰まった時に回答がメールで入ってきて、野党の追及をうまく逃れるのはダメだということで聞いている。そもそも、今秘書官が紙を出しているのと何が違うのか」「画面をハッキングされて違うものを読まされる、ということはあり得ると思う。ただ、自分で考えて発言していればおかしいと気づくはず。国会が読み上げ会のようになっていることが問題だ」と指摘した。 ネット掲示板「2ちゃんねる」創設者のひろゆき氏は「国会は議論する場所である、という考えのほうが間違いかもしれない。イギリスの裁判所で白いカツラをかぶるが、あれは敬意を持たせるため。国会もあくまで、紙を持って読み上げる人たちを見て“こうやって法案が通った”と確認する儀式だとすれば、伝統は変えるべきではないという話になる」との考えを述べる。