「地面師たち」ヒットのネットフリックス、日本発の作品制作を強化…最高コンテンツ責任者
米動画配信大手ネットフリックスのベラ・バジャリア最高コンテンツ責任者が18日、米カリフォルニア州ロサンゼルスで読売新聞などの取材に応じ、日本発の作品制作を強化する方針を明らかにした。日本のアニメについても「非常に重要なジャンル」と注力していく考えを示した。(ニューヨーク支局 小林泰裕)
バジャリア氏は、字幕や吹き替えの普及で、ネットフリックス上で日本語や韓国語、スペイン語など非英語作品の人気が高まっていると指摘。自国の視聴者から支持を得ると、SNSを通じて世界に人気が波及するとして、「それぞれの国で共感を呼ぶ番組を作ることが重要だ」と強調した。
最近の日本発の作品では、綾野剛さんら出演の「地面師たち」が人気を集めた。2025年には、山崎賢人さんらが出演する人気シリーズ「今際の国のアリス」の第3期などのほか、1975年公開で高倉健さんらが出演した映画「新幹線大爆破」のリメイク作品も配信する。草彅(くさなぎ)剛さんらが出演する。
日本を含むアジア太平洋地域の2024年9月末の有料会員は5260万人となり、1年間で約1000万人増えた。日本での増加が目立つという。バジャリア氏は「日本発の素晴らしい作品が増えていることが成長の理由だ」と指摘した。また、日本のアニメの影響力が世界的に高まっているとし、「アニメを楽しむ人は世界中にいる。アニメへの投資は今後も拡充していく」と強調した。
ネットフリックスの今年7~9月期決算は、売上高や最終利益、有料会員数が過去最高となった。12月下旬には人気シリーズ「イカゲーム」の第2期の配信を開始する。ただ、日本では10月に月額料金を値上げしており、会員数の伸びを維持できるかが注目される。