女子中高生が制服姿でオフィスツアー「理系職に関心を」16の企業や機関が参画 理系分野の女子学生割合36カ国中最下位に危機感
女子中高生に理系の職業に関心を持ってもらうためのオフィスツアーが開催された。参加企業は、多様な商品開発のために女性社員の重要性を強調。専門家は、理系女性のイメージ向上のために具体的な職業体験が重要だと指摘した。 【ランキング】OECD加盟国の内、日本が最下位となった「高等教育機関の入学者に占める女性の割合」
「女子も理系に」企業や研究機関でツアー
東京・千代田区のLINEヤフーで行われた記者会見に現れたのは、制服姿の女子中高生だ。 山田進太郎D&I財団が主催し、11日からスタートした「Girls Meet STEM Career(ガールズ ミート ステム キャリア)」。 女子中高生に理系の職業に関心を持ってもらうため、旭化成やNTTなど、16の企業や研究機関が、順次オフィスツアーを開催する取り組みだ。 11日は、女子中高生がLINEヤフーのオフィスを訪れた。 「Hello everyone……すごーい!」 参加者は、初めて触れるテクノロジーに興味津々の様子。さらに、女性社員との交流会も行われた。 高校1年生: 理系って頭が良くて数字に強いイメージがあったんですけど、多様性を重要視して、会社全体でより良い環境を作っていると感じました。 中学3年生: 家でやったら集中力続かないから、こういう会社うれしいかも。 中学3年生: フルフレックス制度いいよね。めっちゃ面白かった。 リアルな体験を通じ、理系への新たな価値観を育てる今回の試み。背景にあるのは、伸び悩む理系女性の割合だ。 OECD(経済協力開発機構)の調査によると、大学などの高等教育機関に入学した学生のうち、日本は、理系分野に占める女性の割合が、調査した加盟国の中で最下位だった。 参加企業も、多様な商品を生み出すには、女性社員の存在が必要不可欠だと説明する。 LINEヤフー執行役員 サステナビリティ推進統括本部長・西田修一さん: エンジニアの男女比率は8割が男性となっていて、(男女)どちらの観点も押さえられるサービス、そういうところに女性の視点も、しっかりと生かしていく必要がある。 三菱電機DE&I推進室・金元真希室長: 男性だけが開発・マーケティングしていると、偏りが出てくる製品がたくさんあるので、実際に、女性視点を取り入れることで、女性が使いやすいような製品が生まれた例もある。 公益財団法人山田進太郎D&I財団 Girls Meet STEM 中高生事業担当・榊原華帆さん: 男子は理系で女子は文系みたいな、まだまだジェンダーバイアスが存在すると思っていて、どんな仕事・生き方が待っているのか解像度が低い状態。まずは体験を中学・高校のうちに、理系としての仕事や大学の学びを知ることで、それ(理系)を選ぶきっかけになると思っている。