タンス預金がついに「300万円」に!不安なので、銀行で「複数の口座」に分けて預けようとしたら口座開設を断られてしまいました。なぜでしょうか?
銀行などを利用せず、現金を手元に置いておくいわゆる「タンス預金」。経済情勢の不安や低金利の影響で、タンス預金を考えている人もいるかもしれません。 今回は、タンス預金が300万円に達したことをきっかけに同じ銀行に複数の口座を開設し、分けて預けようとした際、開設を断られてしまったのはなぜなのか、またどうすればよいのかについて考察します。 ▼タンス預金していた現金を銀行に預ける場合、「税金」の支払いは発生するの?
タンス預金の現状
タンス預金とは、金融機関に現金を預けず、自宅などに保管することを指します。最近は金融機関の金利が上昇傾向にありますが、それまで長年にわたり続いた低金利などを理由に、現金を手元に置く選択をする人が一定数いるようです。 日本銀行の資金循環統計(2024年3月末)のデータでは、家計において保有する現金が105兆1200億円にのぼることが分かっています。このうち、実際にどの程度がタンス預金の額なのかは不明ですが、多額の現金が自宅に保管されていると予想されます。
タンス預金のメリットとデメリット
タンス預金の最大のメリットは、現金が手元にある安心感です。必要なときに現金を使えるため、急な支出にも対応できます。また、銀行システムの停止や経営破綻など、金融機関で起こりうるリスクから解放されることで、心の安定を得られる人もいるでしょう。 しかし、タンス預金は持っているだけでは資産が増えないため、インフレなどの影響で実質的な価値が減少する可能性があります。また、現金を自宅に保管することで、盗難や火災による損失などに注意しなければなりません。 さらに、タンス預金は金額や存在を証明することが難しく、遺産分割が複雑になるなど、相続時にトラブルになる可能性があります。
口座開設を断られる理由
原則、1つの金融機関で開設できる口座は1人につき1つとなっています。同じ金融機関において1人が複数の口座を持つことは、犯罪に使われるなど不正利用のリスクが高まると考えられるためです。 口座の数が1つでも、過去に金融トラブルなどがあると信用情報が悪化し、口座開設を拒否されることがあるようです。また、利用目的などを明確に説明できない場合や、必要な本人確認書類が不足していたりする場合も、口座開設は難しいでしょう。