橋下徹元大阪府知事が「控訴」 れいわ新選組・大石晃子衆院議員のインタビュー記事めぐる名誉毀損訴訟 1審は橋下氏が“全面敗訴”
「日刊ゲンダイ」に掲載された、れいわ新選組・大石晃子衆院議員の発言によって名誉を毀損されたとして、元大阪府知事の橋下徹氏が損害賠償を求めていた裁判。2月13日、請求を全面的に退けた大阪地裁判決を不服として、橋下氏が控訴しました。
橋下氏が「日刊ゲンダイ」インタビューでの大石氏発言を問題視
2021年12月、「日刊ゲンダイ」「日刊ゲンダイDIGITAL」に大石晃子衆院議員(れいわ新選組)のインタビュー記事が掲載されました。 そのインタビューでは、「吉村府政の人気が高いのはテレビの影響」という小見出しの下に、次の発言が掲載されていました。 「橋下元知事は気に入らないマスコミをしばき、気に入らない記者は袋叩きにする、ということを丁寧にされていました。新聞社に対しても「あの記者どうにかせぇ」「あの記者やったら、おたくは外す」と。その代わり、「言うこと聞くんやったら、特別の取材させてやる」とか。それはやっちゃだめでしょということまで平気でやっていた」 「飴と鞭でマスコミをDV(ドメスティック・バイオレンス)して服従させていたわけです」 橋下徹・元大阪府知事はこの発言を問題視。 ▽“マスコミに不当な圧力を加えたり癒着したりして、報道の自由、さらには有権者の知る権利や政治的意思決定の自由を侵害する者”という印象を与える ▽弁護士及びコメンテーターとして、“マスコミによる取材活動の自由は、可能な限り保証されるべきという信条を持つ”という社会的評価を得ている中で、大石氏の発言はその評価を著しく低下させる として、大石氏と発行元の日刊現代に対し300万円の損害賠償を求め、2022年1月に大阪地裁に提訴していました。
大石氏側「橋下氏は意に沿わない報道機関および記者を攻撃してきた」
一方の大石氏側は、 ▽橋下氏は、大阪市長時代に自らのSNSで、某新聞社の記者個人に対する批判的投稿を繰り返し、同新聞社の他の記者からの取材を受けない意思を示したり ▽同じく市長時代の囲み取材で、某民放記者の質問に激昂し、約25分間も攻撃的言動を続けたりするなど、意に沿わない報道機関および記者を攻撃してきた ▽一方で、大阪都構想に賛成的な番組には単独で約90分間も出演するなど、意に沿う報道機関には利益を与えてきた ▽このようにインタビューでの発言の前提となる事実は、重要な部分において真実である と反論。訴えを退けるよう求めていました。 大石氏側の反論について、橋下氏側は「そうした言動は、膨大なマスコミ対応のうちの数例にすぎない」「メディアを萎縮させたこと、利益供与を持ちかけたことなどはない」と主張していました。