上院選は共和党が過半数、新政権に追い風…トランプ氏「我々に前例のない強力な権限与えてくれた」
【ワシントン=淵上隆悠】米大統領選と同時に行われた米連邦議会の上院選は、共和党が非改選を含めて6年ぶりに過半数を獲得することが確実となった。復権を決めた共和党のドナルド・トランプ前大統領(78)にとって、政権運営の追い風となりそうだ。
トランプ氏は6日未明の勝利演説で、「米国は我々に前例のない強力な権限を与えてくれた」と述べ、上院選での躍進に胸を張った。
定数100で任期6年の上院は、2年ごとに約3分の1ずつが改選される。現在の勢力は民主党系51議席、共和党49議席。今回はこのうち民主党系23議席、共和党11議席の計34議席が改選対象だった。
AP通信の6日午前10時(日本時間7日午前0時)時点の集計によると、共和党は14議席、民主党は14議席を固めた。非改選を含めた議席数は共和党52、民主党系42となった。まだ6議席の行方が判明していないが、共和党が主導権を握ることが決定的となった。
共和党は、オハイオ、モンタナ両州で民主党の現職を破り、民主党系のジョー・マンチン氏の引退で空席となるウェストバージニア州でも勝利した。2016年大統領選でトランプ氏と党の候補指名を争ったテキサス州のテッド・クルーズ氏は接戦になる可能性が指摘されていたが、得票率で約10ポイントの差をつけて民主党候補を退けた。
上院は政府高官人事や条約の承認権を握るため、多数派と政権が異なる「ねじれ」が生じればトランプ氏の足かせになる可能性があった。14年の中間選挙で上院の主導権を失った民主党のオバマ政権は、上院の承認を得られず、連邦最高裁判事の人事でつまずいた。
一方、定数435の下院は任期2年で、全議席が改選対象だ。現有勢力は共和党220議席、民主党212議席、欠員3。AP通信の集計によると、共和党が198議席、民主党が180議席を固め、残り57議席を争っている。
共和党が大統領職と上院の多数派を取ったため、次の焦点は共和党が下院の主導権を維持できるかどうかに移っている。実現すれば、共和党は大統領と上下両院を握る「トリプル・レッド」の政治環境を手にする。赤は共和党のイメージカラーだ。