テスラ、中国で「過去最高の四半期」との声-ウォール街の期待高まる
(ブルームバーグ): 電気自動車(EV)メーカーの米テスラは、中国で今年7-9月(第3四半期)は「過去最高の四半期」となる可能性があり、ウォール街のアナリストの間で同社の四半期販売見通しを引き上げる動きが相次いでいる。
少なくとも4人のアナリストが、テスラの7-9月納車台数見通しを上方修正。いずれも、中国で販売が持ち直し始めつつある兆候を指摘した。納車台数は来週発表される。中国はテスラにとって重要な地域であり、世界的なEVの主要市場でもある。
バークレイズのアナリスト、ダン・レビー氏は「こうした中国での強さはテスラにとって非常に好都合なタイミングで到来し、米国と欧州で続く弱さを補う一助になる」と指摘。同氏は7-9月の納車台数を約47万台と見込んでいる。従来予想は46万2000台だった。
健全な納車台数の数字が示されれば、業界全体の減速や価格競争力のあるライバル企業台頭を背景とする需要軟化への懸念緩和に大いに貢献する可能性がある。テスラの投資家は、同社が待望の自動運転タクシー「ロボタクシー」を発表する10月10日のイベントに主に注目しているが、主力事業に対する疑念はなお株価への重しとなり得る。
「予想を上回る納車台数となれば、ロボタクシーの披露イベントにかけて、株価はさらに上昇する可能性がある。少なくとも現時点では、ファンダメンタルズを巡る懸念が解消されたことを示すものになる」とレビー氏は述べた。
パイパー・サンドラーのアナリスト、アレクサンダー・ポッター氏は「中国では、今年7-9月はテスラにとって過去最高の四半期となる可能性が高そうだ。欧州での販売は弱いが、ピックアップトラック「サイバートラック」の納入が米国での需要を支えている」と指摘した。同氏は7-9月納車台数を約45万9000台と予測している。
RBCキャピタル・マーケッツのトム・ナラヤン氏は約46万台を見込み、従来予想の45万4000台から引き上げた。ベアードのベン・カロ氏は48万台、UBSのジョセフ・スパック氏は約47万台をそれぞれ予想している。