【新学期】新たな環境になじめない…子どもの感情表現をサポートする“アートセラピー”とは? 心理カウンセラーが解説
はじめに
新しい学期がスタートしました。私たち親としては、子どもたちの健やかな成長を願うものです。ただ、どうしても新しい環境に馴染めず、モジモジし言いたいことを言えずに黙り込んでしまう子もいます。このような場合、そのままにしておくと、自分の思いや気持ちにフタをしたまま大人になってしまうかもしれません。では、どのようにすればよいのでしょう? 【カウンセラー監修】これが「気持ちくんカード」です(全18種類)
子どもとアートセラピー
アートセラピーとは、言葉では表現しきれない心の世界を、目に見える形にして、自分の内面への気づきを促したり、周囲とのコミュニケーションを深めたりする心理療法のことです。 アート(芸術)を通して自分を表現することにより、心身の健康を回復させ、さらに自己理解や成長につなげていくことが主な目的となります。 絵画というアートを通して、子どもたちが自由にノビノビとした時間を持つこと。その結果、なかなか言えなかったこと(自分の内面にあること)を、表現できたらいいですよね。この記事では、18枚のイラストを用いた【気持ちくんカード】を紹介します。これは、自分や相手の気持ちとうまく向きあえるように作成したものです。もちろん、親子でのコミュニケーションのツールとしても活用できます。では、早速この使い方をお伝えいたします。
「気持ちくんカード」の使い方
基本的な使い方です。18枚のイラスト(すべてを本記事の画像ギャラリーで紹介しています)と色鉛筆やクレヨン、カラーペンなど、色を塗れるものをご用意ください。なお、お子様がうまく言葉で表現できない場面、例えば友だちとうまく遊べなかった場面や、学校での不愉快だった場面などを想定して進めています。イラストは、A4サイズなど、彩色しやすいサイズでご活用ください。 (1)子どもに、今の気持ちに見合うイラストを1枚選んでもらいます。選ぶのは2~3枚でも大丈夫です。 (2)選んだイラストに表情や髪の毛を描き込んだり、気になるところに色を塗ったりして、イラストを完成させてください。全身に彩色するのもOKです。 (3)イラストに名前を付けてください。 (4)実際にお子様にそのイラストと同じようなポーズを取ってもらいます。 (5)この作業に取り組んでいるときや、同じポーズを取った際に感じたこと、また付けた名前の理由などを、ゆっくりとお子様と会話をしてみてください。 取り組んでいただきたいことはこの(1)~(5)です。よかったら、親御さんもお子様と一緒に愉しむのもいいですよね。親が率先して取り組む姿を子どもも見て、学ぶことでしょう。 この他の使い方として、相手を想定して気持ちくんカードを選ぶ方法もできます。例えば、お子様の友だちが困っている場面など、その友人をイメージして似たカードを選ぶ方法です。そして、(1)~(5)の手順に取り組んでください。相手の立場に立つことや、相手の気持ちの理解の促進に役立ちます。