「親が効率を求めた結果、娘は情熱を失った」 “効率的な英語学習法”を知りたがる親に、専門家が警鐘
私の娘は小さいときからピアノが好きで、技術的にもグングン上達していました。そんな彼女が小学4年生になったとき、「もしかしたら音楽の道に進めるかもしれない」というお節介な親心が湧き、超一流のピアニストに指導を依頼したのです。これが大失敗でした。 「プロになりたいならひたすらスケール練習。それが上達の近道だ」ということで、来る日も来る日も無機質なスケール練習。野球でいえば試合に出さずにひたすら体幹を鍛え、素振りだけをさせるようなものです。娘のピアノに対する情熱はみるみる消えていき、精神的にも不安定になり、そのままピアノをやめました。効率を重視したことが原因です。本当に申し訳ないことをしたと思っています。 POINT ◉効率ばかり重視していると勉強が楽しくなくなる ◉大人は子どもに最短距離を走らせようとしがちなので注意 ○斉藤 淳(さいとう・じゅん)/J PREP代表。元イェール大学助教授。上智大学外国語学部英語学科卒業、イェール大学大学院政治学専攻博士課程修了。2012年に J PREP 斉藤塾を起業。著書に『ほんとうに頭がよくなる 世界最高の子ども英語』(ダイヤモンド社)、『世界の非ネイティブエリートがやっている英語勉強法』(KADOKAWA)、『アメリカの大学生が学んでいる本物の教養』(SBクリエイティブ)などがある。
斉藤 淳