メッセナゴヤ実行委員長 加留部淳(かるべ・じゅん)氏に聞く 異業種交流、化学変化に期待
日本最大級の異業種交流展示会「メッセナゴヤ2024」(中部経済新聞社など協力)が30日、名古屋市港区のポートメッセなごやで開幕する。会期は11月1日までの3日間。主催は愛知県、名古屋市、名古屋商工会議所で構成するメッセナゴヤ実行委員会(委員長=加留部淳・名商副会頭、トヨタ自動車アドバイザー)。23日、加留部氏が本紙などの取材に応じ、「異業種のいろいろな方が集まり、化学変化が起きることを期待したい」と、異業種交流によるビジネスの広がりに期待を込めた。 モノづくりやカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量実質ゼロ)などをテーマに778社・団体が出展する。入場は無料(事前登録が必要)。 「世の中の環境が激しく動くなか、(『メッセナゴヤ』を開くことで)果敢に挑戦する、意欲溢れる企業の背中を押してあげたい」。加留部氏はこう強調した。その上で、業種や業態、企業規模などの枠を超えた出展者が「キラリと光る技術、製品、サービスなどをアピールしてもらい、来場される方とうまくビジネスマッチングすることができれば」と語り、異業種交流を促した。
先行き不透明な時代で、外部企業との協業は一つのテーマになる。「自社開発の技術などは『手の内化』をやらなければならないが、技術領域が多岐にわたりはじめている。(他企業などと)どうやって協力していけるか。それをうまく行う企業が生き残れると思う」と述べた。 今回の見どころについて、加留部氏はポイントを大きく二つ挙げた。一つは特別展示として「宇宙産業」を取り上げる。中部地方は「モノづくりが非常に強いため、既存の技術が(宇宙産業に)生かせる可能性がある。新しい研究開発技術も生かせる分野だと思う」と説明。中部地方のほか、東京など日本全国から21社が出展し、宇宙産業の取り組みを発信する。 二つ目は、中部企業の独自技術などを紹介する「きらりと光る町工場コーナー」を特別に設けた点を挙げた。「当地域ならではの出展企業を分かりやすく紹介してほしいという要望があった」ためで、中小、小規模のモノづくり企業10社が出展する。
このほか、水素エネルギーなど幅広いテーマに関する講師を招くセミナーも開き、会期中は5万3千人の来場を見込む。加留部氏は「入社後5~6年の方や、学生さんを含め、特に若い方に来てほしい。世の中で何が起きているか。どんな商品、サービスがあるのかを見て、将来を考えてほしい。愛知県、中部には良い企業がたくさんある。すばらしい会社を見て視野を広げてほしい」と来場を呼び掛けた。