大規模シャッフルなるか、捕手FAの行方 注目集まる"陰のキーマン" 「事実上のトレード」の指摘も
今オフ、最大の目玉とされた捕手FAにおいて鍵を握るとされたソフトバンクの正捕手、甲斐拓也が権利を行使する意思を固めたことが明らかになった。地元メディア『西スポWEB OTTO!』、『読売新聞』電子版が11月12日、相次いで報じている。 【動画】頼れる5番弾!大城がサイスニードから放った3号2ランシーン 甲斐といえば「育成の星」として知られ、侍ジャパンの一員としても2021東京五輪の金メダル、2023年WBCでもマスクをかぶり、世界一奪回に大きく貢献した。 「甲斐キャノン」と称される強肩、リード面の評価も高く、国際大会の実績もあることで、争奪戦が予想される。 名乗りをあげると見られるのが今季4季ぶりのリーグ優勝を果たした巨人だ。 今季は昨年まで主戦捕手を務めた大城卓三に加え、岸田行倫、小林誠司の3捕手併用制を選択。それぞれの捕手の持ち味も生かして、投手力再構築に成功したが、正捕手固定とは至らなかったことで総合力の高い甲斐がFA権を行使すれば、獲得交渉に臨むと見られている。 そして他球団でも今季は捕手が一斉にFAイヤーとなっている。昨年38年ぶりの日本一に輝いた阪神では、坂本誠志郎がFAイヤーを迎えている。昨年は自己最多の84試合に出場。村上頌樹、大竹耕太郎らとのバッテリーも光り、チームを盛り立てた。自身初のゴールデン・グラブも獲得と飛躍の年となった。 今季は64試合に出場、打率「.223」、0本塁打、12打点。投手と理解を深め組み立てていくリードに定評があり、チームを盛り立てるモチベーターとしての側面も評価されている。坂本も自身のキャリアにとって大きな分岐点となるFA権行使について熟考を重ねているとされるが、日本一まで経験したことで新たな世界へ飛び出すことを摸索しても不思議ではない。坂本も捕手FAの陰のキーマンとされる。 さらに常勝軍団の巨人でも「打てる捕手」大城の去就判断が注目されている。昨季はキャリアハイの16本塁打をマーク、しかし阿部慎之助監督になってから、捕手としてのスタメン機会は減少しており、今後の自身のキャリア形成をどう考えているのかが、注目されている。 そして中日ではベテラン捕手の木下拓哉もFA権行使を明言している。 今オフの捕手FAのポイントは一人が宣言すれば、当該球団にポジションが空くことで実質トレードのような動きを見せることも注目されている。 果たして異例の「捕手FA」の決着はどのような形になるのか。まずは15日から本格的な交渉スタートとなる中で、各選手の動向が一層話題となりそうだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]