《幸福度》ワースト3位の日本人は果たして“不幸”なのか?不運を幸福に変えるシンプル思考術 心理カウンセラーが解説
はじめに
2024年5月中旬に、世論調査会社のイプソスによる「幸福感調査レポート」が発表されました。それによると、「幸せ」と感じている日本人の割合は、対象国30カ国の中で下から3番目で、総体的に低いという結果でした。 【画像】日本を含む《ワースト3》は?「幸福感ランキング」をチェック 低くなる要因として、国全体の経済事情など、いろいろと挙げることができると思います。今回の調査レポートの中で特に気になったのが、「自分の人生をコントロールできる感覚」です。どの程度満足しているかという質問に対して、「満足している」と回答したのは45%で、30カ国中最下位でした。確かに、人生は思うに任せぬものです。しかしこの問いは、「コントロールできる感覚が持てるかどうか」です。感覚的なものであるのならば個人のレベルで改善ができそうです。心理カウンセラーの立場で、改善策を解説しましょう。
(1)幸運と幸福を区別する
あなたが宝くじに当たった場面をイメージしてください。これは幸運でしょうか、それとも幸福でしょうか? これは、幸運ですね。では、宝くじに当たった場合、すべての人が幸福になれるのでしょうか?この答えはNOです。当選者の数年後を追跡して調べると、不幸な人生を送っている人もいるからです。 ここで区別をしたいのは、幸運と幸福は異なるということです。この2つの違いは、次のように考えることができます。 「幸運」:外的な要因や、偶然に左右されがちなもの。 「幸福」:外的要因に左右されず、自分で感じるもの。 これは、不運と不幸にも通じるものです。自分の人生をコントロールできる感覚が持てない人の中には、この幸運と幸福を混同している人も多いのではないでしょうか? 例えば、宝くじに当たることは幸運です。しかし、そのお金の使い道を間違えると不幸になります。天気予報が外れ、旅先で雨に濡れること、これは不運です。しかし、それでも、雨模様の中に素敵な景色を見出すことができるとすれば、これは幸福です。 このように「運」はなかなかコントロールできません。しかし、それを「福」に変えることは十分に可能です。ではどうすれば、不運を幸福に変えることができるのでしょう? 嫌だなと思う不運な出来事に遭遇した場合、多くの人は「そのせいで」と言います。しかし、その場面で「そのおかげで」と呟いてみてください。 ・「そのせいで」と続けると、そのまま不運が不幸になってしまいます。 ・「そのおかげで」と続けると、幸福に切り替えることもできそうです。 人生は「塞翁が馬」とも言います。そして、この2つの言葉のどちらを選ぶのか、これは本人がコントロールできるのではないでしょうか。