制作会社単位で2023年アニメを振り返る 特にすごかった会社を勝手に褒めよう企画
C2C
C2Cは2009年設立の中堅ですが、初めて元請けとして手がけたのは2018年の『はるかなレシーブ』でした。その後も『ひとりぼっちの○○生活』や『魔女の旅々』、『プラオレ!~PRIDE OF ORANGE~』など毎年良作を生み出している会社ですが、今年はいよいよ本格化してきた感があります。 そんなC2Cが今年手がけたTVアニメが『便利屋斎藤さん、異世界に行く』『江戸前エルフ』『シャングリラ・フロンティア』の3作品。『便利屋斎藤さん、異世界に行く』の安定感と度肝を抜く最終回のラスト、『江戸前エルフ』の瑕疵を挙げようがないほどの良作ぶり、そしてオンラインゲーム世界を舞台にした『シャングリラ・フロンティア』の面白さを底上げするアクションシーン……いずれも今年のベストに挙げる人がいてもおかしくない作品ですが、それを支えたのはC2Cでした。しかもどれも嫌味のない、“ちょうどいい”良さなんですよね。この異常とも思えるほどのハイアベレージ感、サッカー日本代表での伊東純也クラスです。 いいアニメを作った会社にはいい仕事が舞い込む……というほど単純ではないかもしれませんが、今後も安定していい作品を作ってくれると期待できるでしょう。
GoHands
最後はカムバック賞的な意味合いで、GoHandsです。同社は『K』シリーズや『ハンドシェイカー』『W'z《ウィズ》』などで見られた、凝ったカメラワークや存在感のあるエフェクトを伴ったアクションものが印象的な会社です。 しかし2020年に『東京BABYLON 2021』のキャラクター衣装デザインなどに関するトラブルがあり(これに関しては本稿の本筋と関わりがないため割愛)、2021年冬に『プレイタの傷』『劇場版 生徒会役員共2』を発表していたものの2022年には何も発表されず、2020年代はやや存在感を失っていました。 そんなGoHandsが制作した『デキる猫は今日も憂鬱』『好きな子がめがねを忘れた』の2作が、2023年夏に同時に放送! しかも巨大な猫×ズボラOLの日常ものと、中学生同士のラブコメというこれまでにないジャンルを、“GoHandsらしさ”全開のスタイリッシュな演出で映像化。多くのファンを喜ばせたGoHandsの夏の復活劇は、2023年アニメシーンのハイライトのひとつと言っても過言ではありません。