’23年ビキニフィットモデル“世界女王”に輝いた安井友梨を強くした言葉「私と未来は、変えられる」
「ストイックなイメージを持たれますが、全くストイックではないです。すぐ楽をしたがるし、自分に甘えたくなります」 【よっ!鬼瓦~!】すごい!安井友梨の背中の筋肉が凄すぎて鬼の目がはっきりと見える 謙虚にそう語るのは、’23年11月4日にスペイン・サンタスサンナで開催された『IFBB世界ボディビル&フィットネス選手権』で、フィットモデル一般の部172㎝以下級で初優勝を果たした安井友梨(39)だ。 彼女は、ビキニフィットネスの日本選手権で前人未到の8連覇という快挙を成し遂げた“絶対女王”でもある。安井は、 「大会の3ヵ月前に左足の親指に器具が落ちて粉砕骨折してしまい、リハビリをずっと続けながらの大会出場だったので本当に奇跡だと思っています。私一人の力ではなく、みなさんの応援があってとれた優勝ですね」 と、喜びを語っていた。では、そもそもビキニフィットネスとはどういう競技なのか。 「ボディビルは鍛え上げられた筋肉の大きさを競う競技ですが、ビキニフィットネスは筋肉だけでなく、女性の美しさのトータルパッケージを競う競技です。ヘアメイクや髪の毛のコンディション、立ち振る舞いや表情、頭の先から足の先、何もかもが審査対象になります」 手足が長く、スタイル抜群の安井だが、かつては太っていてダイエットも長続きしなかったという。 「母が体重80キロ、祖母は100キロと太りやすい家系で、私も70キロありました。高校生の時からずっとダイエットしていたんですが、どれも長く続かなくてやってはやめての繰り返し。運動も苦手で、コンプレックスとネガティブの塊でした。でも、母がジムに通い始めて20キロ痩せたのを見て、私も通い始めたんです。それが30歳の時でした。 ただ、あまり痩せることができなくて、トレーナーさんに『目標の写真を持ってきて』と言われ、見つけたのがビキニフィットネスの大会で優勝した人たちの集合写真でした。調べたらチャンピオンが通っているジムが同じ市内だったので、そこに私も通いはじめました」 あくまでもダイエット目的というが、“ある時”を境に本気でビキニフィットネスと向き合うことになった。 「’15年9月21日に行われた『第2回オールジャパンフィットネスビキニ選手権大会』で日本チャンピオンになり、日本代表として世界選手権に出場することになったんです。私の階級はまず予選の前に50人から10人に絞られるんですけど、そこにも残れず完敗。海外の選手と比べたら、私だけ子供みたいな体型で圧倒的な差を感じました。 『日本人が海外の選手に勝つにはあと5000年以上かかるだろう』と監督にも言われるほど差がありました。日本連盟としてビキニフィットネスの世界大会に初めて選手を送り込んでくれたのに、何もできないことが悔しくて、わんわん泣いて……。帰りの空港でトレーナーに『世界選手権で勝てる体になりたい』と連絡しました」 パーフェクトボディを目指すためには、当然、運動だけでは事足りない。食生活も極限までこだわっている。 「筋肉量を保ちつつ、いっぱい食べて運動して痩せなくてはいけないので1日6食必ず食べています。馬肉や猪肉などジビエ肉といった低糖質で高タンパクなお肉を365日、毎日同じものを食べています。 オフシーズンも量を増やすだけで、基本同じもの。減量期は49.5キロがベストですが、オフシーズンは70キロくらいになります。それを毎年繰り返して体を作って、大会に臨んでいます」 「目標は世界の頂きに登ること」と、力強く語る安井だが、そこにはビキニフィットネスへの恩返しの気持ちが隠されているという。 「残念ながらまだビキニフィットネスは認知度の低いマイナー競技。私もこの競技を始めた時は、露出度の高い格好をすることに家族は抵抗があったみたいで反対されました。ビキニフィットネスをやっている女性の多くは私と同じような経験をされたと思います。 だからこの状況を打開するためにも、まず私が世界で一番になる。そして、誰もがビキニフィットネスを当たり前のように知っているという競技にしたい。来年、世界大会が日本で開催されます。だから、絶対に初優勝を果たし、世界チャンピオンになります。そして、皆さんにビキニフィットネスの素晴らしさを知ってもらい、経験してもらいたい。私みたいに人生を変えてもらえたら嬉しいです」 安井の座右の銘は「自分と未来は、変えられる」。この言葉を胸に、彼女はトレーニングに励んでいる。
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