除草の手間が軽減 持続可能な有機栽培へ「紙マルチ栽培」で育てられた新米を試食(島根・大田市)
山陰中央テレビ
島根県大田市で、水田に再生紙を敷いて雑草の繁殖を抑える「紙マルチ栽培」で育てられた米の試食会が開かれ、市長などがその味を確かめました。 11月28日、大田市役所。 ふっくら、つややかに炊き上がったのは、市内で収穫された「こしひかり」です。 大田市の楫野市長や松江市の農機メーカーの社長が試食しました。 大田市・楫野市長: 「おいしいですね」 三菱マヒンドラ農機・齋藤徹社長: 「あまい」 2人が絶賛する、このお米は…。 2024年5月、大田市三瓶地区。田植え機が進む田んぼを覆うのは再生紙。 その上から、苗を植え付けていきます。 松江市東出雲町の三菱マヒンドラ農機が鳥取大学と共同開発した「紙マルチ田植機」です。 水田を再生紙で覆って日光を遮り、雑草の繁殖を抑え、その効果は除草剤とほぼ同等。再生紙は40日から50日経過すると水に溶け、肥料になります。 2024年度、三菱マヒンドラ農機が持続可能な有機米の産地づくりに向け、連携協定を結んでいる大田市の農家や農業法人に田植え機を貸し出し、試験栽培を行いました。 収獲されたのはあわせて約8トン。 有機栽培普及のネックだった除草の手間が省けるうえ、食味の数値も向上。 一石二鳥の効果があったということです。 農事組合法人 百姓天国・三島賢三代表理事: 「手間暇かけずにおいしいお米ができるというのは、新たに有機栽培の面積を増やしていくには非常に有用。今年1年の実証だったので来年も、もう1年やりながら最終的に総括していきたい」 三菱マヒンドラ農機・齋藤徹社長: 「大田市ではじめて取り組んで良い結果が出たということで、私たちも自信を深めていますので、1カ所に終わらせずに日本に広めていきたいなと思っています」 大田市は2025年度以降、試験栽培に参加する農家を増やし、“大田・三瓶の有機米”として産地づくりを進めていきたいとしています。
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