諫早「開門せず」再び確定 長崎の漁業者敗訴、最高裁
国営諫早湾干拓事業(長崎県)の潮受け堤防が閉め切られて漁業被害が出たとして、長崎県の漁業者が国に排水門を開くよう求めた長崎第2、3陣訴訟で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は、漁業者側の上告を退ける決定をした。開門を認めず、漁業者側の敗訴とした一、二審判決が確定した。24日付。 諫早湾干拓事業の排水門を巡っては、法廷闘争が長期化し「開門」「開門せず」の相反する司法判断が併存してきたが、昨年3月に最高裁で開門を認めない判断が確定。今回も結論を踏襲した形となった。 2020年3月の一審長崎地裁判決は排水門の閉め切りによって漁場環境が悪化したとは言えないとして、漁業者側の請求を棄却。昨年3月の二審福岡高裁判決は事業に伴う漁場環境の悪化を認めた一方、事業の公共性や開門する場合に生じる農業被害などを総合的に考慮して開門を認めず、漁業者側の控訴を棄却した。 判決確定を受け、坂本哲志農相は「関係省庁と連携しつつ、適切に対応していく」とのコメントを出した。