本場のさぬきうどん店に学ぶ。ariko流自宅アレンジレシピ【人気料理家arikoさんのおいしい大人旅③】
早朝から100人以上の大行列が……
そんな衝撃の出会いにより、数年ぶりにやってきた香川でも楽しみにしていたのが「うどんバカ一代」の再訪。ところが、前回のように「朝イチに訪れれば大丈夫」などと呑気なことを言っていられない状況になっていたのです。冗談ではなく、100人以上が並ぶ大行列を目にしてもはや慄いてしまい、再訪・再食は叶いませんでした。前からもそうでしたが、もはやうどんは香川県においては最大のキラーコンテンツ。うどんバカ一代だけでなく、有名店はどこも行列が途絶えず、それらの店で味わうには覚悟して行かないとありつけません。 そして、今やおすすめのうどん店を案内する〈うどんタクシー〉なるものまで存在しています。屋根の上に可愛いうどんの丼型の提灯を冠したタクシーを見かけると、思わず後を付いていきたくなります(笑)。このうどんタクシーの資格を得るためには、知識を問われる筆記試験だけでなく、お客さん役の上司を乗せて案内する実地試験、さらには手打ちうどんの実技までをクリアしないとならないそう。1時間5000円ほどらしいので、友人たちと頼めば安いものですよね。おいしいうどん店情報が脳内にインプットされた運転手さんが効率的に回ってくれるプライベートツアー、次はぜひ乗ってみたいと新たな旅の目的ができました。 観光客が押しかける行列必至のお店も数々ありますが、地元民が気負わず通う名もなきお店もたくさんあり、驚くほどにおいしいうどんが食べられるのが、さすが〈うどん県〉。今回の新刊では、久しぶりに訪ねた香川のおすすめの(そこまで混まない)うどん店もたっぷりご紹介しておりますので、ぜひご覧いただけたら嬉しいです。 ariko/ありこ 人気ファッション誌を担当するエディター、ライター。インスタグラム(@ariko418/フォロワー数22万人超)でのセンスあふれる料理の写真と食いしん坊の記録が話題を呼び、「おいしい情報なら間違いない」と信頼される存在に。レシピ本を多数刊行している料理家でもある。著書に『arikoの食卓』シリーズ(ワニブックス)、『arikoのごはん』『arikoのおいしいルーティン』(講談社)、『ありこんだて』(光文社)ほか。 文/ariko