「学輪IIDA」が3分野の成果共有 遠山郷フィールドスタディの報告会【長野県飯田市】
全国各地の大学生と地元高校生が長野県飯田を学び場として学習・交流を深める「遠山郷エコ・ジオパークフィールドスタディ(遠山郷EG―FS)」が、21日から2泊3日の日程で上村・南信濃地区周辺であった。最終日の23日は南信濃地域交流センターで報告会を実施。自然、民俗学、動物倫理の3分野に分かれて展開したフィールドワークの成果を発表した。 大学連携会議「学輪IIDA」の共通カリキュラム実行委員会が主催した。遠山郷EG―FSでは、同地域の自然資源に注目。地元専門家の案内を受けながら観察と記録を行い、価値や活用方法について議論した。大学生と高校生との共学による学習効果を高める狙いもあり、今年で7回目。 本年度は地元高校生6人と、県内外の4大学から8人が参加し、7月から事前学習を重ねてきた。 自然分野のグループは、下栗地区としらびそ高原などを訪ね、シカによる食害について学習。狩猟免許を持つ地元の人や農家から現状を聞いた。 飯田高校1年の生徒は「地元の人は、野生動物やその被害をうまく受け入れている感覚があった」とし「現地での学習を通じて遠山郷の魅力を感じた」と振り返った。 企画運営メンバーの1人で、飯田市美術博物館客員研究員の坂本正夫さんは「皆が学ぶことで、地域の大人の刺激となった。今回の学びを多くの人に伝えてほしい」と講評した。