テラデータ、NVIDIAの生成AI基盤を「Teradata Vantage」に統合
米Teradata(以下、テラデータ)は現地時間10月8日、パブリッククラウドおよびプライベートクラウドを活用する企業の、生成AIをはじめとするAIを活用したビジネスイノベーション、ビジネス成果獲得を支援するため、NVIDIAとの新たな協業により、統合アナリティクスプラットフォーム「Teradata Vantage」の機能をさらに強化すると発表した。 今回の協業により、生成AIフレームワークの「NVIDIA NeMo」と、推論向けの「NVIDIA NIMマイクロサービス」をTeradata Vantageに統合し、AIワークロードを高速化し、基盤モデルおよびカスタマイズした大規模言語モデル(LLM)、エージェント型ワークフロー、検索拡張生成(RAG)アプリケーションの開発をサポートする。また、ユーザーは、NVIDIA AI Enterpriseを利用して自社独自のカスタムモデルも構築できる。 クラウドネイティブなNVIDIA AI Enterpriseは、生成AIを活用したプロジェクトから優れたROIを導きだせるよう設計されたエンドツーエンドのソフトウェアプラットフォームで、エンタープライズレベルのセキュリティやサポートおよび安定性を提供する。また、データサイエンスのパイプラインを高速化し、本番環境に準拠したコパイロットやその他の生成AIアプリケーションの開発とデプロイを効率化する。 これらNVIDIAソフトウェアの統合に加え、TeradataはNVIDIAアクセラレーテッドコンピューティングインフラストラクチャを提供する。最初の実装は、Teradata VantageCloud Lakeで新たにサポートする小規模言語モデル(SLM)とオープンLLMの機能として、今後発表予定。LLMの推論やモデルのファインチューニングなどのタスクに、NVIDIAアクセラレーテッドコンピューティングプラットフォームのクラスタを活用できるようになる。 Teradataは、NVIDIA NIMマイクロサービスの諸機能をパッケージにしたNVIDIA NeMo Retrieverのアクセスを、クラウドおよびハイブリッドクラウド環境でTeradata VantageCloudを活用するユーザー企業に提供していく。これにより、企業はカスタムAIモデルを多様なビジネスデータにシームレスに接続して、高精度なレスポンスを返すことが可能になり、TeradataVantage Cloud上の既存顧客データを、高速検索とRAGアプリケーションで活用できるとしている。 Teradata VantageCloud Lake NVIDIA AIアクセラレーテッドコンピュートは、11月からAWSで一般提供を開始、2024年第4四半期中には推論機能が追加され、2025年上半期にファインチューニングが可能になる。NVIDIA AI Enterpriseの統合は2025年に提供開始予定。
クラウド Watch,三柳 英樹