コロナ禍以降最多の1万7938人の前で仙台が山形に2―0
◆明治安田J2リーグ第10節 仙台2―0山形(13日・ユアスタ) ベガルタ仙台がモンテディオ山形との「みちのくダービー」を2―0で制し、暫定4位に浮上した。コロナ禍以降最多の1万7938人が詰めかけ、前半10分にMF相良竜之介(21)が先制弾。38分にはDF菅田真啓(26)が追加点を決めて逃げ切った。カップ戦を含めた通算成績は20勝15分け9敗と大きく勝ち越し。 点差以上に力の差を見せつけた。仙台は全員が走り抜き、球際で勝ち、主導権を握り続けた。コロナ禍以降で最多となったサポーターの声が、熱が選手の背中を押した。先制弾を決めた相良の言葉に実感がこもる。「サッカー選手として幸せでした。ここで何か見せなきゃ、という気持ちにさせてもらった。勝ててホッとしています」。 前半10分、パスを受けるとドリブルで中央へ進み、相手をかわしてミドルを決めた。「もらった瞬間から打とうと決めていた。あの位置は自信があるので」。昨季ポジションを争い、仲も良かった気田が「素晴らしいパフォーマンスをしていた」と言っていたことを伝え聞き「うれしいです」と笑った。 ここまで自己最多の4得点2アシストと、チーム全10得点の半分以上に絡んでいる。絶好調の要因はメンタル。「点が取れ始めて自信がついた。気持ちの余裕も生まれています」。チーム全体で「足を振ろう」と積極的なシュートを奨励していることにも背中を押されている。 前回対戦の23年7月1日は敵地で1―4と惨敗。試合後にはサポーターがスタンドに居残る騒ぎまで起こったが、当時は遠征メンバーから外れ自宅で観戦していた。「チームとしても残念な結果。そこに入れてもいない自分が悔しかった」。悪夢を上書きするチャンスで一発回答を出した。 2点リードの後半は、守備ブロックを敷きながらカウンターを狙う作戦がハマり快勝。10試合を終え4勝5分け1敗の勝ち点17と順調な滑り出しだ。過去のJ1昇格プレ ーオフ(6位以内)進出データから「10試合で勝ち点16が最低ライン」と位置づけている森山監督は「ここから強いところと当たるので、このペースを維持していきたい」と気を引き締めた。単なる1勝以上の勢いをつけ、昇格戦線に生き残る。(岩崎 敦) 〇…左からのクロスに頭で合わせて2点目を決めた菅田は「去年アウェーでボコられたから、借りを返すつもりで臨んだ。サポーターの熱気がすごくてテンションが上がりまくりました」と感謝した。前節の藤枝戦(1△1)では2度の決定機を外していただけに「まだまだ、しっかり決めないと」と油断はない。森山監督も「2点目が大きかった」とたたえた。
報知新聞社